エルドアン首相、結果判明後の声明
2010年09月12日付 Milliyet 紙

選挙結果を自宅にて見守っていたエルドアン首相が、公正発展党(AKP)県支部にて(選挙後)初の会見を行った。

エルドアン首相が会見の一部にて、「大洋の向こう側にて支援してくれた友たちに感謝している」と述べ、フェトゥフッラ・ギュレン氏へメッセージを送ったことが注目された。

レジェプ・タイイプ・エルドアン首相は、国民投票の結果に関して行った総合評価にて「トルコはラマザン・バイラムについで、そして民主主義の祝祭をも立派に終えた」と述べた。

■エルドアン首相による(選挙後)初の会見

レジェプ・タイイプ・エルドアン首相は、国民投票の開票とおおよその結果を入手した後に訪れた(イスタンブルの)ストゥルジェ地区にあるAKP党支部にて行った会見にて、以下のようにコメントした。「トルコはラマザン・バイラムについで、そして民主主義の祝祭をも立派に終えた。今日『賛成』と投じた人々も、『反対』と投票した人々も、どちらも勝利したのだ。なぜなら、その先にある民主主義、権利と自由、司法の優位は万人のものである。今宵敗北したのは(後見人としての)クーデターの実行者(軍部)という考え方なのだ。」

エルドアン首相は、憲法の一部条項における改正を見越した法律の是非を問う国民投票の結果に関して記者会見を行うために、AKPのストゥルジェにある党支部にやって来た。同首相が自宅を出たとのニュースを受け、アズィズ・バブシュチュイスタンブル県党本部長やカーディル・トプバシュ広域市長、党関係者たちは党支部のビルの入口にて列をなして(首相の到着を)待った。

ビルの表玄関から10メートル先にある警官のバリケードの背後にて待機していた100人近い党の支持者たちは、頭に「賛成」と書かれた帽子を被り、トルコ国旗を振りかざしながら「トルコはあなたを誇りに思う」、「嫉妬する奴らは潰してしまえ、レジェプ・タイイプ・エルドアン」、「ほらほら雄叫びをあげよ、クルチダルオール(CHP党首)よ聞くがいい」と言って声を揃えて叫んだ。

エルドアン首相は午後8時20分に34FN1286ナンバーの公用車にてビルに到着した。熱狂をもって彼を出迎えた人々に挨拶した同首相は、待機していたハヤトィ・ヤズジュ国務大臣と自身を出迎えた党支持者たちと握手を交わしてビルの中で入った。

■トルコは民主主義の祝祭をも立派にやり遂げた

「トルコはあなたを誇りに思う」というスローガンを背に会見を続けたエルドアン首相は、以下のように発言した。

「敬愛なる市民たち、仲間たち、そして報道関係者の方々、まずはわが国民たちのラマザン・バイラムをもう一度祝福し、敬愛なるわが国民に心からの親愛の情を捧げる。トルコはラマザン・バイラムについで、そして民主主義の祝祭をも立派に終えた。国民投票により、憲法改正を承認するために必要な票の50パーセント以上の賛成票が投じられたという結果が出た。

今現在の結果によれば、憲法第26条の是正は、約58パーセントの割合で承認されている。トルコ全体の投票率は、約77~78パーセントの割合である。この割合は、前回の国民投票では67パーセントであった。敬愛なるわが国民が自身で判断する権利を行使して、憲法改正案を承認したのだ。

この結果が、国、国民、そしてすべての市民たちにとって幸有ることであることを、神に願っている。まずは、国民投票が国全体で平和と平穏の中にて実現されたことを喜ばしく思っていると伝えたい。われわれが行った安全上の予防措置により、深刻な事件は発生しなかった。国民投票において市民は平穏に投票へ赴き、自由な意志を表現したのだ。

国民投票にて表された民主主義の熟成度は、全世界に素晴らしいメッセージとして送られた。任務に就いた保安部の人々による警備や選挙管理に対し、すべての公職に就く人々を挙げて私個人、組織、そして国民の名のもとに感謝を述べる。」

■国民の意志はいかなるものであれ重要なものである

「親愛なる友たちは、その先にある民主主義と司法の優位という闘争において歴史的な出発点を国民全員で越えた。民主主義の、司法の、そして公正さの壁を手と手を合わせて飛び越えたのだ。われらが共和国に完全な民主主義という王冠を被せるために、投票箱の前へ向かったのだ。晴れがましい気分で、国民投票にて国民の意志は明らかとなった、と述べたい。キャンペーン期間中も幾度も述べたが、国民の意志はいかなるものであれ重要であり、認めなければならないものであり、そして価値あるものである。賛成と投じた人々の意志も、反対と投じた人々の意志も、そして投票へ行かなかった人々の選択も尊重に値する。

誰ひとりとしてこの意志を無視したり、見て見ぬ振りをする権利を持ってはいないし、そんなことはあってはならない。民主主義とは市民の意志を受け入れ、その意志を実行するためにあらゆる差異を政治的なプロセスに組み込むことに他ならない。9月12日は民主主義の勝利の日となった。

改革が民主主義の中で実現されうることが再度認識された。民主主義に対する信頼が再度明らかになった。あらゆる問題の解決策が、民主的な政治であることが明らかとなった。民主主義の、政治の、そして国民の意志の力が今日、より一層増したのだ。」

■後見人という考え方は意味を失った

「今日は賛成と投じた人々も、反対と投じた人々も勝利した。なぜならこの先にある民主主義は万人のためにある。権利と自由もそう。司法の優位もまたそうだ。すべての市民が今宵大きな勝利の中にいるのだ。望んだ、望まなかったに関わらず、あらゆる後見人という考え方は(意味を)失った。今宵敗北したのは(後見人としての)クーデターの実行者(軍部)という考え方なのだ。改革やその改革がもたらすことに対して抵抗する理由が無くなったのだ。9月12日は、トルコの民主主義の歴史に一つの留意点として刻まれるだろう。すべてこうした意味で思い起こすことになるだろう、そうなのだ。クーデター後に制定された憲法により汚された9月12日という日が、今回の国民投票によって民主主義への節目として栄光に輝く新たなページを開け、この否定的状況から救出された。トルコも後見という統治形態を、もはや過去の歴史にしようとしているのだ。

トルコはもはやメンタルの面で、クーデターに躍起となる人々の精神は実現不可能なものとなる。トルコではもはや国民の意志の力があらゆる汚れた戯れを頓挫させる。トルコではもはやこの改革が実現する、民主主義に対するいかなるもの(試み)も処罰を受けないことはないということを、彼らはより良く理解するだろう。

トルコではもはや、武装集団やテロ組織といった闇の組織からの援助を期待する人々が大きな失望を経験することになるだろう。今日出た賛成という決定は、国民の民主主義を熱望した結果なのである。AKPとしてはこの結果を、国民による改革と民主化への重要な支援と見なしている。

この憲法改正はAKPだけの政策ではない。この結果はいかなる政党への支援や信任投票でもない。野党のある人物がこれは信任投票であると発言していたが、今後彼がどのように説明するのか、見物である。

この国は光の世界から闇の世界へ入った、という発言をしている。(しかし)その正反対に国は闇の世界から光の世界へと抜けだしたのだ。政治というものを学ぶ必要がある。この状況から学ぶであろう。党や個々の政治家が投票を受けたのではないし、政党間で取引が行われたのでもない、だから安心してほしい。異なる政治的意見をもつ人々が自ら信じた正しさに与えた支援なのだ。党派性を超え正しいと信じたものに与えた支援の心や良心の声を聞きながら、改革を賛成してくれたすべての市民を心から祝福している。」

■支持してくれた共和人民党(CHP)員や民族主義者行動党(MHP)員の仲間たちを祝福する

「この憲法改正の政策を支持してくれたCHP党員やMHP党員、そして平和民主党(BDP)員の仲間たち、危険を顧みず投票へ向かった仲間たち、(この政策に対し)真っ先に賛成との支持を表明してくれた至福党の仲間たち、大統一党(BBP)員の仲間たち、無所属の民族主義者議員、トルコの知識人、革命主義的左派である労働者党の仲間たちを、自由主義者たちを、AKPへ心を、情熱を捧げてくれたAKP党員の仲間たちを祝福する。(キャンペーンの)過程でトルコ商工会議所連合(TOBB)会長が行った会見。彼らを祝福する。権利労働連盟、公務員労働組合連盟を、(われわれを)最初からずっと支持してくれたことから祝福する。市民社会組織として支持してくれた人を、特に祝福する。

ゲンチ・シヴィル(青年市民組織)たちを祝福している。キャンペーンの間、大きな献身と努力をもって額に汗して働いた中央実行組織、党中央執行部のすべての国会議員の仲間たち、組織中央、女性部門や若者部門、県組織、郡組織、町組織、すべての選挙管理者たち、特に細心の注意を払って職務を果たしてくれたこれらの人々を祝福する。

もちろん、集会にて大きな一群となって心を一つにし、ラマザンに加えこの暑さにも関わらず私が訪れた各地にて、32度から52度にもわたるその暑さの中われわれを迎えてくれたすべての市民を、仲間たちを今ここに祝福する。」

■大洋の向こう側にも感謝

「とりわけ投票するために国外から税関の入口にて意志を表明してくれた仲間たちを祝福する。世界各地から、大洋の向こう側からこのプロセスを支持してくれたすべての仲間たちを祝福する。ここから大洋の向こう側にメッセージがあるがゆえに、われわれもこのメッセージに応えることが必要なのだ。

このプロセスの中で、あらゆる街の圧力を気にもかけず支持してくれた商業界におけるすべての代表者たちに、特に感謝を伝えたい。街路の改名に至るまで(様々な)圧力がかけられた。時が来ればこれらは明らかになる。みなに感謝を述べる。

投票へ赴き賛成と投じたとしても、反対と投じたとしても、意志を反映させ、民主主義に力を与えてくれたすべての市民たちに感謝している。

この国民投票によって国民がとても重要な可能性に達し、歴史的という位置づけられる改革へ支持を与えてくれた。これはわれわれが負っている責任を増大させた。女性、年配者、子ども、犠牲者、そして戦士たちのためによい知らせを届けられよう、と述べる。」

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( 翻訳者:指宿美穂 )
( 記事ID:20151 )