党首クルチダルオールの「投票権なし」は誰の責任か?―CHPでスキャンダル
2010年09月14日付 Milliyet 紙

共和人民党(CHP)のケマル・クルチダルオール党首の投票権がないことは、党の重要人物には知らされていたが、「我々が何とかする」と言いつつも誰も対処しなかった。

この件を(9月12日憲法改正のための国民投票)2日前に知ったクルチダルオール党首は関係者に責任を問うものと見られている。

ケマル・クルチダルオール党首が国民投票に際し投票権がないことは、党内で深刻な問題となった。党員がこの問題を40日前に把握していたにも関わらず、それぞれに任せて解決しなかったこと、及びクルチダルオール党首には投票の2日前に連絡したことが事態を混乱させた。クルチダルオール党首は2009年地方選挙にてイスタンブル市長候補となった際、キャウットハーネ地区の住居を借り、有権者登録も行った。しかし国民投票前に、同所に居住していないことが判明し、登録は削除された。約70の県、200の郡を巡回し「反対」票を呼びかけたクルチダルオール党首だが投票権はなかった。

■「我々が何とかする」とは言ったものの
この不祥事が起きた後、CHP内からはあるグループがケマル・クルチダルオール党首に対する「陰謀」を企てたとする主張がなされている。この主張によれば事件は以下のとおり進行した。

クルチダルオール党首の有権者登録がキャウットハーネ地区から削除されたことは、投票日の約40日前に判明していた。CHP事務局長のオンデル・サヴ氏は、党の中央執行委員会(MYK)メンバーで副党首のハック・スハ・オカイ氏及び法律家のシャーヒン・メンギュ国会議員に状況を伝えた。クルチダルオール党首のトルコ大国民議会(TBMM)秘書シュクラン・キュトゥクチュ氏も、国民投票の選挙運動開始の際、CHP本部に忠告していた。クルチダルオール党首の新たな秘書と顧問らにも知らされた。党幹部も「我々が何とかする」と伝えていた。

■責任を問う
ところが誰も何も対処しなかった。CHPイスタンブル県支部長のベルハン・シムシェキ氏も、国民投票20日前に知らされた。シムシェキ支部長は、党員らに「私が何とかしよう」と約束した。しかし、誰も問題を解決出来なかった。この状況を知らずにトルコ全土を股に駆けるクルチダルオール党首は、投票権がないことを国民投票の2日前に知った。大ショックに陥ったクルチダルオール党首は、周辺に「国民投票後に、関係者にこの不祥事の責任を問う。2011年に実施予定の総選挙には自らのチームを組んで望む」と話したとされる。

■「オンデル・サヴCHP事務局長による妨害」との見解
こうしてCHPでは「新体制」論が始まった。ある党幹部は、党代表団に関し問題はないことを強調し「クルチダルオール党首の一存だけで十分である」と述べ、この流れが始まる兆しを示した。ある党員も、「50年来の友人であるバイカル前党首を、一夜にして消し去ったオンデル・サヴ事務局長は、クルチダルオール党首をも妨害した」と語った。他の党員は、「(2009年の)地方選挙前の直前に立候補表明したケマル・クルチダルオール党首の投票を可能とするためには、イスタンブルで6ヵ月間居住している必要があった。この問題はどうにか解決することができた。今回はこの不祥事を起こした党本部とイスタンブル県支部の関係者らは、クルチダルオール党首、そしてCHP有権者、そしてトルコ国民に謝罪しなければならない」と話した。

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( 翻訳者:石川志穂 )
( 記事ID:20164 )