レバノンの水資源エネルギー大臣、水不足への対応を呼びかけ
2010年09月09日付 Al-Nahar 紙
■バースィール大臣「9月・10月の水不足が迫っている。政府と国民は水の使用への意識を持て」
2010年09月09日付『アル=ナハール』紙(レバノン)HP1面
【ダマスカス:本紙】
水資源エネルギー大臣ジュブラーン・バースィールは「レバノンは困難な時期に水不足を迎えることになるだろう。危機のピークは9月と10月だ」と述べ、「今年起きた事態は水資源の利用法についての政府と国民の意識に対する真の警鐘だと言えよう。8月に停電問題に直面したのと同じように、我が国が直面しているこの問題への意識を高める必要がある」と指摘した。
バースィール大臣のこの発言は、全国各地の水道局長を集めて水問題を話し合った会合後に開かれた記者会見の場でなされたものである。その場で大臣は、「水資源エネルギー省が内閣に3か月前に提出した議案を受けて、中止されていたダムの競争入札を再開することに内閣がついに同意した」と発表した。大臣は「このことは作業開始に向けた要である」との認識を示しつつも、「ただし、国民に水を供給するために国内に建設することが求められているダムの内、必要最小限を実現するに必要な財源が満たされない限り、これだけでは十分でない」と述べた。
そして大臣は、地元企業であれ国際企業であれ、経験を有する優良企業で、同省に登録されていない企業に対し、登録申し込みをするよう呼びかけた。それによって今回の入札に競争性と真剣味が増すためだ。大臣によれば「ダムの一部について入札が不適切な形で行われ、価格操作や談合が行われた結果、ダムのコストが実際の価格の倍に跳ね上がったために、省として拒否せざるをえなくなった」と[過去の経緯を]語った。
話題が下水の問題に及ぶと、大臣は次のように述べた。「各自治体には法の範囲内で認められた犯されざる権利がある。配分の割合をめぐって多少の意見の相違はおこるにせよ、財源は各自治体に還元され、支払われなければならないものであり、Sukleen社のようにほかの事業に転用されることは認められない」「財源は下水計画のために用いられるとの前提で水資源エネルギー省が作った計画に則って各自治体に渡されるのであり、政府はこの必要な事業を各自治体を通して実行することで利益を公衆に還元する。このことは、地方自治体連合の首長たちからも大きな賛同を得ており、下水問題の解決につながる」。
(中略)
大臣は国民に対して「目下の水不足という」厳しい時期に注意を促し、「我々は水不足のピークにおり、10月にはさらに悪化するだろう。水不足は雨が降って地下水位が上昇するまで続く」と述べた。そして、「今回の水不足問題は真の警鐘であると思う。レバノンでは自然な方法を通して以外、水の十分な確保は無理である。海水の淡水化はできず、従って厳しい2カ月を経なければならない。だが、私たちはなんとか電力問題を切りぬけたのと同じように、この2カ月を乗り越えなければならない。現在、水不足は終息しつつあるが、我々はこの水問題に注意を促し、レバノン全土と政府に水問題への取り組みに関する意識を持たせ、問題を解決へと導き、この国に真の資源を取り戻させたい」と語った。
(後略)
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( 翻訳者:加瀬冴子 )
( 記事ID:20173 )