■ 米国民、分裂を乗り越えようと模索
2010年09月12日付『アル=ハヤート』(イギリス)HP第1面
【ワシントン:ジュウィース・カラム(本紙)】
例年と異なり、2001年9月11日の同時多発テロから9周年を迎えた追悼式典は、米国社会の一部の集団の間で緊張した面持ちが示されるものとなった。というのも、中止とはなったもの無名の教会がコーランを燃やす計画や、世界貿易センタービルの跡地(グランド・ゼロ)の近くにモスクを建設する計画を巡り白熱した議論が繰広げられたからであった。
バラク・オバマ大統領は式典で、「憎しみ」を捨て「分裂」を回避するよう呼びかけ、アルカーイダに属して攻撃を仕掛ける者達を米国の価値観を傷つけようとする「哀れな集団」と評した。そして米国は、「イスラム教徒との戦争を行うことは決してないだろう」と強調した。
一方、ターリバーンの側は、米国が「9・11事件から9年を経て、可能な限りの軍事的解決を試みたもののの」、アフガニスタンに平和を構築するあらゆる機会を逃してしまったと強調しつつ、もはや無条件撤退以外に解決策はないとの立場を示した。
暗黒の火曜日(9月11日)の攻撃でおよそ3千人が死亡したニューヨーク州やペンシルバニア州、および国防総省建物(ペンタゴン)で鐘の音が断続的に響く中、米国は、各州で一般市民、宗教関係者、および政治家らの幅広い参加の下に9周年となる同時多発テロ事件を追悼した。
オバマ大統領は、ペンタゴンでの演説のなかで、多くの犠牲者の遺族や軍の高官たちを前にして、「米国はイスラームと戦争を行っていないし、今後も行うこともない。9年前に米国を脅かしたテロ事件の犯人たちは、我々を分裂させようとしたのであろう。しかし、我々は彼らの憎しみや先入観に屈することはないだろう」と強調した。また「彼らは我々の信仰上の対立を挑発しようとするであろう。しかし、我々は米国人として、イスラームとの戦争を行っていないし、今後も行うことは決してない。9月のあの日、我々に攻撃を仕掛けた者たちは、宗教の信仰者ではなく、むしろアルカーイダ、つまり宗教を歪曲した者達の哀れむべき集団であった」と述べた。
(後略)
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( 翻訳者:鈴木啓之 )
( 記事ID:20194 )