ロマ(ジプシー)から接収した土地を5倍で売却―ファーティフ区自治体
2010年09月22日付 Radikal 紙
イスタンブルのファーティフ区自治体は、スルクレのロマ(ジプシー)の土地を1平方メートル当たり500~800リラ(約28,000円~45,000円)で接収し国有化したが、国が所有する土地が購入価格の5倍で一般競争入札にかけられた。
イスタンブル地方財務局は、スルクレとして知られているハティジェ・スルタン地区にある264平方メートルの国有地を66万7,000リラ(約3,790万円)で売却した。1平方メートルあたり2,552リラ(約14万5,000円)の価格がつけられた。ある不動産会社のサイトでは、2010年9月17日に「ファーティフ区のスルクレの売地」という広告が出され、次のように書かれていた。「イスタンブル地方財務局は、スルクレとして知られているファーティフ区のハティジェ・スルタン地区にある土地を入札という形で売りに出した。広さ264平方メートルの土地全体が国有地であると説明されており、評価額は66万7,000リラ、入札保証には13万3,400リラ(約758万円)が必要である。イスタンブル地方財務局は、一般競争入札の方法で売却を予定しているが、その不動産入札を2010年10月15日に行う予定」
■500~800リラで買い取った
スルクレにあるジプシーたちの土地は、今から約1年半前、ファーティフ区自治体が開始した国有化への流れの中で、1平方メートルあたり500~800リラで買い取られた。土地投機を行う人々も参加した。都市再開発の名の下、この地区の各地に、新しい住民となる教団のシェイフ、代行人の息子、事業家、国会議員のため、集合住宅局(TOKİ)により豪華な住宅建築が始められた。同地域より追い出されたロマたちの一部は、集合住宅局が建てた都市部から離れているカヤバシュにある住居に住まわされた。住宅ローンや光熱費を支払うことのできないロマの大部分はこの権利をオークションで売り払い、都市部に住む親戚のもとに散っていった。こうした事態に対し問題視する声が大きくなった。
■裁判が続いている
かつてスルクレで住んでいた建物が取り壊された後、自治体が提示した土地の国有化価格が気に入らなかったロマたちは裁判を起こし、その裁判は今も続いている。ファーティフ第一審裁判所で続いている裁判では、裁判所が任命した専門家が、国有化価格を1平方メートルあたり1200リラ(約68,000円)と決定し、自治体はこの額に基づき国有化を行っている。この金額に対してロマ側は少ない、ファーティフ自治体側は多いとして異議申し立てをした。問題の入札は、スルクレの一部のグループの提訴を認めた欧州人権裁判所(AİHM)での裁判で、証拠となりうるとみられている。
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( 翻訳者:釘田遼香 )
( 記事ID:20223 )