新憲法議論、焦点は「クルド語での教育」
2010年09月25日付 Radikal 紙

公正発展党(AKP)-平和民主党(BDP)の会談によって焦点となった新憲法の議論の中に「母語を用いた教育」がある。AKP所属のボズダー議員が「母語を用いた教育は決して受け入れられない」と言うと、BDPから「これを謳わない憲法は戦闘を停めはしない」との反応を示した。 共和人民党(CHP)はクルド語について「社会の合意」を見守る予定だ。

政府とBDPの間で実現した会談後、両者の新憲法議論は「合意不可能」のメッセージで始まった。政府とBDPの会談で始まった新憲法議論は、この政党(BDP)の要求を明らかにした。民族主義者行動党(MHP)は、新憲法の議論に扉を閉ざした。MHP のメフメト・サンドゥル会派副代表は、「クルド労働者党(PKK)との協議のため、MHPを自分たちの仲間にはできないだろう。PKKの要求に応えるよう考える人々の憲法議論にMHPは決して力を貸すことはない」と述べた。

主要野党であるCHPは、新憲法議論に関する政府の発言を待っている。CHPのアキフ・ハムザチェビ会派副代表は、「公式の議題となったときに判断する」と述べた。CHPのケマル・クルチダルオール党首もこの件については、社会の合意を基本とすると強調した。

CHPのコンヤ選出議員、アティッラ・カルト氏は、チチェキ副首相とエルギン法相のBDP議員たちとの会談と対話環境が良好であったと話した。カルト議員は、BDPの母語を用いた教育と民主的自治権の要求に対して、個人として快く思わなかったとし、「(トルコ共和国の公式の)母語教育は必然です。-再び個人的な見解を表明しています-(住民の)母語を用いた教育は、別ものです。母語教育を妨げることはできませんが、しかし、トルコ共和国がもつ単一の基盤の中では、母語を用いた教育は別のことなのです」と話した。

■ 新憲法はBDPの要求で行われない

AKPのボズダー会派副代表は、世間での諸議論に対して、以下のように答えた。「我々は、憲法改正をBDPの要望の上に行っているのではありません。新しい憲法は、我々の選挙マニフェストにあります。しかし、解党裁判と他の事件が、我々が(憲法改正を)行うことを妨げました。このため憲法改正をBDPの要望の上に行っているとの議論には異議を申します。2011年に新憲法を施行しようと、呼びかけを行っています。なぜなら、国民投票で「反対」と言った人々でさえも、新憲法を欲しているからです。」

ボズダー議員は、MHPに対して「謀略と悲観主義の上に政治を行うのをやめろ」と言い、「新憲法は合意に基づく憲法となるでしょう。新選出の議会でグループがどれだけあっても、全てのグループの代表者が参加する合意委員会を作ります。一人でも反対するなら、その条文は承認されないでしょう」と述べた。

しかし、憲法改正が選挙の後とされたことは今回BDPを不快にした。BDP所属のハミト・ゲイラニ議員は、「この国の、最も緊急に待ち望まれていることは新憲法です。これは先延ばしすることはできません。選挙前に実現される必要があります」と述べた。ゲイラニ議員は、政府が「母語を用いた教育」に扉を閉ざしたことに対しても反論した。「エルドアン首相は、ドイツで(トルコ語を母語とする人々が)トルコ語という母語を用いた教育を望み、これを認めないのは人権侵害であると述べている。一方で、クルド人の子供たちに母語を用いて教育をすることは違憲である。母語を用いた教育を条文としない憲法は戦闘を停めはしない。」

一方で、ネヴザト・パクディル副議長は、会談を有益であったと評価しているとし、「AKPには、国家の基盤に関する(越えてはいけない)一線がある。国家の公用語としてトルコ語以外を検討すること、この点で譲歩することは考えてはいない」と話した。

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( 翻訳者:能勢美紀 )
( 記事ID:20252 )