観光の目玉、海と砂浜から温泉へ―リマク・ホールディング新戦略
2010年09月28日付 Zaman 紙
EUが年間400億ドル(約3兆3000万円)の収益を得ている温泉観光業がトルコでも盛んになりつつある。
ここ2週間だけで2軒の温泉付きホテルがオープンした。建設、観光業、エネルギー、セメント、航空、そして食品の業界で事業を展開するリマク・ホールディングは、ヤロヴァで一時期アタテュルクが宿泊していたリマク・サーマルホテル(旧名:タクスィムホテル)に、2000万ドル(約16億6000万円)を投資して、30年の時を経て営業を再開した。
リマク・ホールディング会長のニハト・オズデミル氏は、トルコにおける温泉観光業が、「海- 砂-太陽」に続く(観光業界キャンペーンの)第二段となるであろうと語った。同ホテルが歴史的文化財であり、一時期国家的偉人らをもてなしたこともあることから、リマク・ホールディングが行う投資の中で最も格が高いものであると強調するオズデミル氏は、「我々はこのホテルで金銭的な利益を得ようなどとは思っていません。しかし、このホテルは、さらに多くの個人投資家をヤロヴァへ引き寄せることとなるでしょう。事実、トルコにおける温泉観光業への投資は増加し始めています」と述べた。先週、カヤ・グループは、イズミルにてカヤ・サーマル&コンベンションホテルをオープンしている。2月には、エリキリ・ス社(訳註:トルコの飲料販売会社)を創設したアスラノバ・グループが、ブルサでマリーゴールドという名の5つ星の温泉付きホテルをオープンした。一方、アンカラとクルシェヒルでは、それぞれ2軒の温泉付きホテルの建設が進められている。これらの事例は、将来性を考えると、まだ始まりにすぎないと示唆したニハト・オズデミル氏は、「多くの投資家が温泉観光業に殺到しました。事実、トルコは温泉の豊富な国です。殊に、東部および南東部は、重要な将来的可能性を秘めています」と語った。これに対し、リマク観光のトータルコーディネーターであるカーン・カヴァロール氏の伝えるところによれば、トルコの215億ドル(約1兆8000億円)の年間観光収益の内、温泉観光業の収益は1%を満たないという。EUはこの産業部門で年間400億ドル(約3兆3000万円)の収益を得ている。トルコ地熱協会のデータによれば、温泉観光目的でドイツとハンガリーを訪れた観光者数は1000万人という。この数はロシアでは、800万人、フランスではほぼ100万人となっている。世界で最も温泉資源が豊富な7つの国の一つであるトルコの温泉地は、未だ観光客にとって注目の的とはなっていない。ニハト・オズデミル氏は、温泉地を商業地化できないことを不満に思っている。ヤロヴァ・サーマルホテルのおかげでブルサを行き来していると説明した同氏は、ブルサがリマク・ホールディングにとって、非常に注目すべき町となっていると語った。リマク建設は、2月にブルサ、バルケスィル、チャナッカレそしてヤロヴァを網羅するウルダー電力供給株式会社を9億4000万ドル(約781億円)で買収している。オズデミル氏は、獲得した電力供給会社の入札に関することとして、再編プロセス終了に努めていると伝えた。
■ 入札参加資格を得るだけでも名誉なこと
同氏は、アクデニズ電力、イスタンブル・アナドルヤカス電力及びトロスラル電力の民営化プロセスにおいても、入札に参加するつもりであると発表している。また、同氏は、メディナ空港の入札において、TAV社(訳注:トルコの建築会社)及び、YDA社(訳注:トルコの建築会社)と、カイロ空港の入札においてはTAV社及びENKA社(訳注:トルコの建築会社)と共に入札参加資格を獲得したこと、トルコ系企業がこういった入札において入札参加資格を獲得したことが極めて名誉なことであると強調した。同氏は、「入札参加資格を得ることだけでも、数十の事業提携及び事業申し出を我々が獲得することへとつながります」と述べ、現在、トルコにおいてエネルギーから高速道路建設に至るまで数多くの入札に関心を示していると伝えた。
■ 数で見るリマク・サーマルホテル
宿泊料300リラ(約17,000円)
部屋数48、ベッド数96
従業員数55人
2010年8月に営業開始
客室稼働率90%
この記事の原文はこちら
( 翻訳者:藤井庸平 )
( 記事ID:20270 )