エルドアン首相とクルチダルオールCHP党首会談、その中身は?
2010年09月28日付 Milliyet 紙


レジェプ・タイイプ・エルドアン首相とケマル・クルチダルオールCHP党首は、昨日(27日)突然の会談を行なった。数人の大臣とCHP幹部も参加したこの10分間の会談で、エルドアン首相は「あなたはスカーフ(バシュオルトゥス)問題についてたえず言及しています。それなら今すぐ一緒に行動を起こしましょう」とのべた。クルチダルオールCHP党首は、自分は他の問題にも言及しているとしながらも、「我々も解決を望んでいる。すぐに委員会を設立しましょう」と述べた。この会談は、委員会設置に関する決定はされないまま終了した。しかし、舞台裏ではこの接触は、より下位の実務レベルで続けられ、驚くべき展開もあり得ると見られている。

トルコ中小事業者連合(TESK)の第18回総会は、昨日リクソス・ホテルで行なわれた。多くの大臣も参加する総会にやって来たクルチダルオールCHP党首に対し、TESKのベンデヴィ・パランドケン会長は、「首相は会場の準備が整うまで、隣の部屋でお休みになられています。よろしければあなたもどうぞ」と言った。これに対し、クルチダルオールCHP党首は同行者たちとともにその部屋へと移った。

エルドアン首相、クルチダルオールCHP党首そして同行者らは、10分ほどして皆一緒に総会が行われる会議場へと移っていった。エルドアン首相や閣僚たちとともに、クルチダルオール党首と党幹部らが加わった突然の会談は、国民投票の過程で緊張関係が生じていたあとだけに、アンカラで強い関心を呼んでいる。

■「談笑だった」

エルドアン首相は、会場を去る際に記者たちの質問に答えた。「クルチダルオールCHP党首と1対1で会談されたようですね」との質問に対し、「1対1ではなかった。我が党の国会議員、大臣たちと一緒に、談笑したにすぎない」と話した。

ある記者が、「国民投票は両党間に緊張を生みましたが、新たな展開ですね」と話すと、エルドアン首相は「そんなことありません。困った状況があるわけでありません」と述べた。「新憲法は協議事項に上がりましたか?」という質問に対しては、「憲法に関してはもちろん話し合いました。しかし今日私たちは言ったんです、(クルチダルオール党首らに)あなたは演説であれこれ話していますよね、言っていますよね、と。何についてかといえば、それは、スカーフ(バシュオルトゥス)についてです。あなた方はずっとそれを話題にしてきました。これに対し、私も演説で何といっていたかご記憶でしょう。ほら、『さあ、すぐに行動に移しましょう。すぐにチームを作り、動き始めましょう』、と言ったでしょう」と答えた。

エルドアン首相は、ある一人の記者が「トゥルバン(イスラム風スカーフ)」と言う言葉を使うと、「バシュオルトゥス(主に若い女性が被る、整ったスカーフ)」と訂正した。

[訳者注:女性のかぶるスカーフをさす用語は多様であり、報道での用語も定まっていない。かぶり物の総称をバシュオルトゥスという場合もあるが、ここでのバシュオルトゥスは、「バシュオルトゥス」問題の原因となっている、女子大学生らが髪と顎をしっかり隠す巻き方で被り、公的空間である大学での着用の是非がとわれている、比較的カラフルな大判のスカーフ(とその着用)をさしている。]

■「すぐに動き始めましょう」

記者たちの質問に答えないまま、ホテルをあとにしたクルチダルオールCHP党首は、ミッリエト紙に対し「まとめていうと、私が話したことは次のことである。すなわち、憲法改正について話し合いましょう、と。しかし、そのための委員会が作られた際に、最初の議題がスカーフになると決まったわけではない」と話した。舞台裏へと漏れてきた情報によると、会談では次のような会話がなされた。

エルドアン首相:「あなたは演説であれこれ話していますよね、言っていますよね。何についてかといえば、それは、スカーフ(バシュオルトゥス)についてです。あなた方はずっとそれを話題にしてきました。それなら、すぐざま一緒に行動を起こしましょう。すぐにチームを作り、動き始めましょう。」

クルチダルオールCHP党首:「私たちもこの問題を解決したいと思っています。私たちは自分たちが演説で発言した言葉に責任を持ちます。しかし、私はただスカーフ(トゥルバン)問題だけを発言したわけではありません。国会議員の免責の撤廃、高等教育機構(YÖK)についても発言しました。閣僚の弾劾に関わる憲法第100条についても言及しました。(これらを包括的に扱うため)憲法改正について委員会を作りましょう。国会の他の政党もこの委員会に参加して全員で解決策を見つけましょう」。

■最初になすべきことが異なる

2人のリーダーの会談は次のように続けられたとみられている。
エルドアン首相:トゥルバン(スカーフ)とバシュオルトゥス(スカーフ)は全く別の問題です。私たちはまずバシュオルトゥス(スカーフ)の問題を解決しましょう。この問題では宗務庁からも意見をいただきましょう。

クルチダルオールCHP党首:宗務庁ももちろん(世俗主義にもとづく)立憲体制内の一組織です。その意見も聞くべきでしょう。世俗主義の原則という枠組みで見解を述べるでしょう。宗務庁から異なる意見が寄せられるとは思いません。身なりや服装は憲法で整えられるものではありません。私が言いたいことは次のことです。憲法改正について落ち着いて話し合いましょう。しかし委員会が作られて、最初の議論がスカーフ(バシュオルトゥス)となると決まっているわけではありません。

■アナトリア通信が「誤訂正」

レジェプ・タイイプ・エルドアン首相とケマル・クルチダルオールCHP党首の短時間の会談は、アナトリア通信によって昨日の10時49分に配信された。それにより、エルドアン首相とクルチダルオールCHP党首がホテルで短い時間会い、話し合ったことが明らかになった。

しかしアナトリア通信は、12時3分にこのニュースに関する訂正をした。そこでは、(会見があったことは取り消され)、エルドアン首相とクルチダルオールCHP党首、そして要人らが、TESKの第18回総会で会場の準備が整う間、「少しのあいだ会場で待機した」と訂正された。首相府関係者がアナトリア通信に問い合わせしたあとで、この訂正がなされたことが明らかになっている。

しかしエルドアン首相はホテルから出る際におこなった発表で、会談を行ったことを認めたため、アナトリア通信は(結果として)誤報をしたことになってしまった。

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( 翻訳者:小川玲奈 )
( 記事ID:20271 )