■ ガザ：スウェーデン国籍旅券偽造グループ摘発
2010年09月30日付『アル＝ハヤート』紙（イギリス）アラブ国際面
【ガザ：ファトヒー・サッバーフ】
ガザ地区とエジプトの境界線上にあるラファハ通行所警察のイヤード・アル＝ハウラーニー署長は、スウェーデン国籍のパスポートを偽造するガザ住民のグループを警察が摘発したと明らかにした。また同署長が本紙に語ったところによると、警官らは「複数のガザ地区住民はヨルダン川西岸地区［のパレスチナ自治］政府の内務省で発行されたパスポートを所持している。これらのパスポートには本人の写真だけが貼付されており、記載された情報は他人ものになっている」ということを発見したという。
ハウラーニー氏は「パレスチナ人の中には移民した人々もいる。その中でもスウェーデンへ移住した人々が身元情報書類とスウェーデン旅券のコピーをラーマッラーの出入国管理局に送り、パレスチナ自治政府旅券の発行を申請しているのだが、移住した人々の写真の代わりにガザ地区住民の写真が貼付されている。エジプト経由でスウェーデンやその他の国への渡航に利用するためだ」と説明した。警官らはラファハ通行所の出発ロビーで外国旅券所持者数人について不審感を抱き、「彼らの外国旅券とパレスチナ旅券及び身分証明書を精査したところ、身元情報に違いがあることが判明し、拘束のうえ取り調べを行った」という。
ハウラーニー氏はこれについて「身元詐称」だとの見解を示し、「ガザ地区住民3人を旅券偽造の容疑で逮捕した」と述べ、「すでに3人の身柄は検察に引き渡されており、法的な措置がとられる予定だ」と明らかにした。また、「パスポートを1部偽造するには3000～5000ドルの費用がかかる」と指摘し、「出入国管理局には現在データベースが構築されており、このような行為を摘発するための取り組みが順調に進められている」と述べた。
ガザ地区の若者たちの間では、地区外への移住を望む傾向が顕著になっている。特に貧困率や失業率の上昇、政治・経済・社会が閉塞状況に陥り労働機会がないこと、高等教育の学費高騰などがその背景にある。ガザの解任された［ハマース主導の］政府の内務省にはパスポート台帳がないため、ガザ地区住民たちはラーマッラー［のファタハ主導のパレスチナ自治］政府内務省にパスポートの発行を申請している。しかしラーマッラー政府は2007年6月14日にハマースがガザ地区を制圧して以来、パスポート台帳のガザへの送付を拒否している。
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（ 翻訳者:中島希 ）
（ 記事ID:20280 )