文化観光省、エヴリヤ・チェレビー『旅行記』回収理由を説明
2010年10月08日付 Milliyet 紙

国民教育相のニメト・チュブクチュ大臣は、欧州評議会が" 21世紀の人類に影響を与えた最重要人物20人のうちの一人" として選んだ有名な旅行家、エヴリヤ・チェレビーの『旅行記』が、トルコで国民教育省によって"卑猥"とされ回収されたという噂について回答した。チュブクチュ教育相は「様々な出版社から出版された本には、(旅行記の中から)バラバラの章がおさめられており、それらの本の間には共通性がない。このため、学生用の『旅行記抜粋』は学生レベルにあわせ教育的に作られるのがふさわしいと判断した」と語った。

国民教育省は、以前、苦情を理由に、"主要作品100選"に含まれメトロポール出版から出版された『エヴリヤ・チェレビー旅行記抜粋』の回収を要求していた。国民教育省中等教育局は81の県教育局にこの件について文書を送っていた。

■ 「出版物の間で共通性がない」

国民教育相のニメト・チュブクチュ大臣は、共和人民党(CHP)ゾングルダク選出の国会議員であるアリ・イフサン・キョクチュルクが提出した、『エヴリヤ・チェレビー旅行記抜粋』という作品に卑猥な表現があり、回収するかしないかという質問趣意書に答えた。チュブクチュ大臣は本件について、『エヴリヤ・チェレビー旅行記抜粋』が教育指導課が設けた委員会により調査されたと語った。チュブクチュ大臣は、その結果まとめられた報告書では、本書が異なる出版社から出された別のヴァージョンと比較されたとし、次のように述べた。

「報告書には、『どの本にも違う章がおさめられており、それらの間には共通性がない。様々な出版社がばらばらに出版している現状である。このため『抜粋』は学生レベルにあわせ教育的に作られるのがふさわしい』という見解が述べられていました。我々の歴史の中で最も重要な資料の一つである『旅行記』に卑猥な表現があり、そのために回収が要求されたという主張は真実を反映していません。」

■ 本の一部...

本のある部分は次のような内容である: 「スルタン・ムラト4世の御前に召しだされた、鼻のない子供の父親であるハジ・エンヴァルは、断食月の「カドルの夜(27日)」か、バイラム(宗教祭)の夜に、ビスミッラーと唱えないまま、子供をお前の妻のおなかに宿らせたのか、と尋ねられた。父親は、『ああ、血気盛んな時分に、興奮して我を忘れて犠牲祭の夜に、妻と寝床を共にしたとき、その時「ビスミッラー」と言うことを失念いたしました。体に震えを感じました。私たちは夢中になっていたようです。朝は疲れはてた状態で、私は犠牲祭の礼拝をしませんでした。どうも、あの夜妻は身ごもったようです』(172ページ)

「メフメト2世は私たちのおばと親しくなりました。バヤズィト・ヴェリ(聖者)[2世]は彼女から産まれました。ジェムとヌレッディンは2人とも私たちのおばから産まれました。」(56ページ)

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( 翻訳者:富田祐子 )
( 記事ID:20341 )