「金のオレンジ」賞、ユジェ監督の「チョウンルク」へ
2010年10月15日付 Hurriyet 紙


今年第47回目が開催された、国際アンタリヤ金のオレンジ映画祭の“最優秀映画賞”にはセレン・ユジェ監督の初作品「チョウンルク」が選ばれた。セレン・ユジェ氏は同時に“最優秀監督賞”をもらい一夜で2つの賞に輝いた。
映画「エンリカ婦人とイタリア人になる方法」内の役でクラウディア・カルディナーレさんが“最優秀女優賞”に選ばれ、金のオレンジ映画祭の47年の歴史上初めて、外国人俳優に賞が送られた。

第47回国際アンタリヤ金のオレンジ映画祭では、初監督作品で重要な賞を獲得した若手監督たちの活躍がとりわけ目立った。セレン・ユジェ監督は「チョウンルク」、トルガ・カラチェリキ監督も「チケット売り」というタイトルの映画でそれぞれ3つの賞を獲得した。金のオレンジ映画祭史上初めて、外国人女優に“最優秀女優賞”が授与された。
金のオレンジ映画祭国内長編映画部門では、今年25歳~35歳の間の若手監督達が、初の長編映画で存在感を示した。

巨匠、デルビシュ・ザイム監督、オルハン・オウズ監督、スィナン・チェティン監督、タイフン・ピルセリムオール監督らも自身の作品を引き下げて参加した今回の映画祭は、14作品中9作品が監督らにとって初の映画であるという特徴があった。

■主要な賞を「チョウンルク」が総なめ

映画業界においてファーティフ・アクン監督とイェシム・ウスタオール監督の映画で助監督を務めるという経歴を持つセレン・ユジェ氏は、初の長編映画となる「チョウンルク」で金のオレンジ映画祭の3つの主要な賞がおくられた。

「チョウンルク」は映画祭で、“最優秀映画賞”と“最優秀監督賞”を獲得し、映画で主役を演じたバルトゥ・キュチュクチャーラヤン氏にも“最優秀男優賞”がおくられた。

映画祭におけるもう一つの注目すべき点は、弁護士の仕事を辞め、映画の教育を受けた29歳のトルガ・カラチェリキ監督が、「チケット売り」という初の長編映画で参加したことだ。カラチェリキ監督の映画は“最優秀初監督作品賞”を獲得した一方、エルジャン・オズカン監督は“最優秀映像監督賞”、主役を演じたセルカン・エルジャンには“最優秀男優賞”がおくられた。エルジャン氏は「チョウンルク」のバルトゥ・キュチュクチャーラヤン氏と賞を分け合った。

■映画祭史上初

一方、金のオレンジ映画祭の47年の歴史の中で初となる、外国人俳優に賞がおくられた。

アリ・イルハン監督の初の長編映画、「エンリカ婦人とイタリア人になる方法」で主役を演じたイタリア人スター、クラウディア・カルディナーレ氏は、金のオレンジ映画祭の“最優秀女優賞”に選ばれた。

初の外国人の最優秀俳優賞受賞者を出した映画の、芸術監督として、エルヴァン・アルバイラク氏に「アヴニ・トルナイ博士審査委員特別賞」がおくられた。

■14作品中11作品が受賞

巨匠監督の地位にいるデルヴィシュ・ザイム氏も、映画祭に出品した「影と形」という映画で金のオレンジ映画祭の2つの賞を獲得した。国内長編映画コンペティションの“最優秀構成賞”をアイリン・ゾイ・ティネル氏が獲得した一方、SIYAD(映画脚本協会)が国内作品に与える賞も授与された。

映画祭に出品された14作品中、11作品がなんらかの賞を受けた。タイフン・ピルセリムオール氏が監督した「髪」とトルガ・カラチェリキ氏監督作品の「チケット売り」の映像映像監督を務めたエルジャン・オズカン氏にも賞がおくられた。「髪」で演じたルザー・アクン氏と「交差点」のジェンギズ・ボズクルト氏が“最優秀助演男優賞”を同時受賞した。

国内長編映画部門では、今年初めて設けられた審査員特別賞はセダト・ユルマズ監督の「プレス」が受賞した。さらに「プレス」で演じた俳優のアラム・ディルバル氏がベフリュル・ダル審査委員特別賞を獲得した。ディルバル氏はこの賞を映画「メリーゴーラウンド」のゼイネップ・オラル氏と分け合った。

昨年、初監督作品でアンタリヤ市評議会特別賞を獲得した女性監督のイルクセン・バシャルル氏は、2作目の長編映画でもまた金のオレンジ映画祭で受賞した。

バシャルル氏は主役を演じたメルト・フラト氏と一緒に書いた「メリーゴーランド」の脚本でも、映画祭の“最優秀脚本賞”を獲得し、役を演じたゼイネップ・オラルも特別賞を手にした。

映画祭は、セリム・ギュネシュ初監督作品の「純白」に“最優秀音楽賞”を授与した。映画の音楽を担当したミルジャン・カヤ氏はそのメロディーによって金のオレンジ像を胸に抱いた。

有名映画監督、スィナン・チェティン氏の作品「紙」は映画祭で賞を1つのみ獲得した。映画や舞台で活躍するベテラン俳優のアイシェン・グルダ氏がこの作品で「最優秀主演女優賞」を獲得した。

セリム・デミルデレン監督の「交差点」では、ジェンギズ・ボズクルト氏が“最優秀助演男優賞”を受賞した。作品は“アンタリヤ市評議会賞”も受賞した。

ベテラン監督のオルハン・オウズ監督も、映画祭で賞を一つのみ獲得した監督となった。オウズ監督の「ハイデ ブレ」でニハト・ドュシュコ氏が“最優秀芸術監督賞”を受賞した。

映画祭に参加した2人の女性監督の1人であるベルマ・バシュ氏の初の長編映画「ゼフィール」、野心的な俳優陣を起用したエルハン・コザン氏の「ジャッカル」、57歳で初の長編映画を撮影したアフメト・ボヤジュオール氏の「白黒」は賞を得ることができなかった。

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( 翻訳者:猪股玲香 )
( 記事ID:20401 )