■アレキサンドリアの補習センターは満杯
2010年10月2日付『アル=アハラーム』紙(エジプト)HPエジプト国内面
【アレキサンドリア:サーミー=ハイラッラー】
新学年度の開始と共に、アレキサンドリアでは保護者たちが多くの危機に直面している。第一の危機は、公立私立含め補習センターが定員一杯になったことである。
アレキサンドリアの補習センターはことごとく保護者達に門戸を閉ざし、満員の表示を出している。政府高官らにマフィアとさえ形容され、常々「補習センターというウィルスに対抗する」とまで言われていたのだが、それらのコメントは何処へやら、それらの補習校は、その重要性を主張している。
本紙は補習センターの活動が停止したかどうかを見極めようと、アレキサンドリアの中心部を東から西へと歩きまわった。センターの多くは昨年8月から運営を開始し、時間割を用意し、受講者数を制限し、授業料の制定を行っている。出遅れた人々を不安にさせたことには、保護者たちは授業料を前払いしている。
出遅れた人々で、特に中高の卒業年に当たる子供を持つ人々が正に危機的状態に陥った。補習センターに望みを託して行ってみたら、先生たちのスケジュールはいっぱいだと分かったのである。しかも、1時間から1時間半の家庭教師で授業料は120エジプトポンドにも上る。保護者と教員間の危機はまるでいたちごっこなのだが、勝つのは往々にして教員側である。
さて、次の危機は、子どもが学業を初めて以来の書店と生徒との関係で起こりそうな気配である。
書店が、外部教科書[教育相認可の国定教科書以外のテキスト]販売窓口を閉じつつあることに危機が要約されている。彼らは、それらのテキストを教科書検閲の眼から遠ざけ、裏小路へ持って行き、こっそり闇で売ろうとする。このため、外部テキストの値段は、印刷されたものでもコピーでも、15から60エジプトポンドにもなる。
保護者たちは、これら一連の危機の原因が、まず外部テキストにかんする、次に教科書開発についての教育相の諸決定にあると主張する。これらの危機が過熱し、その解決策を探すことになる前に、教授法や教員による指導法、教科書に関しての解決策を見つけるべきだと考えられている。
家庭では保護者に、学校では子どもにのしかかる重荷となったこれらの危機に、一体解決法はあるのだろうかと、保護者たちは思い悩んでいる。いまだに危機は続いている。アレキサンドリアの補習センターは定員一杯で学生たちは空きが出るのを待っている。あれこれの決定が出されようとも、本屋は闇で動いている。
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( 翻訳者:今井花南 )
( 記事ID:20424 )