逮捕者151人―「クルディスタン社会連合」裁判はじまる
2010年10月18日付 Zaman 紙


クルディスタン社会連合(KCK)の本裁判が始まり、ディヤルバクル共和国検察庁の指令をうけ8県で行なわれた捜索で検挙された151名が審理にかけられた。

クルディスタン社会連合(KCK: Kowa Ciwaken Kürdistan)の成員であるとして起訴された被疑者らは、ディヤルバクル第6重罪裁判所において初めて裁判官の前に立った。
逮捕された103名の被疑者全員が、新しく建設された法廷に現れた。ディヤルバクル広域市のオスマン・バイデミル市長を含む在宅訴処分を受けた被疑者のうち37名が出廷し、残りの11名は出廷しなかった。

犯人不明の殺人事件や郡警察諜報テロ対策局(JİTEM)といった重要な案件を扱っている第6重罪裁判所での審理は身元確認から始まった。裁判所長は、時間を短縮するため名前を呼ばれた被疑者は起立して「はい」と答えるだけでよいとした。名前を呼ばれた被疑者らは、応答をクルド語で「はい、います」を意味する「Ez il virim, ez amademe」と返事した。身元確認の後、裁判所長官は訴状の受理に関する決定を読み上げた。被疑者側弁護士を代表して発言したディヤルバクル法廷弁護士会のエミン・アクタル会長は、ディヤルバクルにおけるこの歴史的審理に対しトルコ中が注目しているとし、「被疑者らはより声高に政治的アイデンティティを語るだろう。これに注意を払わなければならない。また、訴状は7,500ページある。我々はこれを読み上げないよう要求している。弁護のためにより長い時間を割く必要があると考えている。これは公訴だ。記録には損害に遭った者も被害者もいない」と述べた。

■髭を伸ばしたディジュレ氏、被疑者を代表して発言

刑務所にいる間に髭を伸ばした元民主主義党(DEP)議員ハティプ・ディジュレ氏は、被疑者を代表して発言した。ディジュレ氏は被疑者らと話し合った上で、彼らを代表して発言するのであるとし、自らを「被疑者代表」と定義した。ディジュレ氏は、国民の代表である者が審理にかけられるとは憂慮すべきことだと説明し、次のように続けた。
「このようなことは起きてはならなかった。民主主義の国で国民の代表は拘束されたりしないものである。この問題の中心にはクルド問題がある。まさしく武装解除や問題解決のために、民主主義に移行したこの時代において、このようなことはあってはならない。我々は先ほどクルド語で「はい」と言った。なぜなら母語で弁明することは当然の権利だからだ。我々は母語を使えばより楽に自らを表現することができる。我々は何年間も刑務所で過ごしてきた。つまりクルドの人々のために闘ってきた。われらが兄弟であるトルコ人の言葉が不快というわけではない。この通り、我々はトルコ語を話している。国家が我々の前途を開いてくれたなら、より穏健になるのは確実である」

タヒル・エルチ弁護士は、被告側弁護士を代表して作成されたクルド語による弁護要求を含む請願書を裁判所に提出した。

■KCK裁判のために裁判所内に(大人数収用の)法廷設置

クルディスタン社会連合(KCK)裁判のために、ディヤルバクル裁判所に新しい法廷が設けられた。中庭だった場所に建設された600㎡の法廷には、被疑者の他におよそ400人が集った。平和民主党(BDP)のセラハッティン・デミルタシュ党首及びギュルタン・クシャナク副党首、民主社会会議(DTK)のアフメト・チュルク会長、民主社会党(BDP)のアイセル・トゥールク副党首、平和民主党員、弁護士、新聞記者、ヨーロッパから来た諸団体及び人権活動家らが裁判を傍聴した。法廷には8台のカメラが設置され、発言者の姿がスクリーンに映し出された。

ディヤルバクル共和国検察庁によって作成された7,578ページの訴状では、そのうちの103人が拘束された151人の被疑者について、「国家の統一と一体性を乱す」、「テロ組織メンバー及び指導者になる」、「テロ組織を支援し匿う」といった罪状で禁固15年から無期懲役の間で懲役が科される。

ヨーロッパにおけるPKK統括役と言われ、逮捕命令が出されているサブリ・オク氏は、第一容疑者として訴状に名を連ねている。訴状では、解党された民主社会党(DTP)の執行部メンバー28名、ディヤルバクル広域市のオスマン・バイデミル市長を含む市長12名、県議会議長2名、市議会議員2名も、被疑者に含まれている。

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( 翻訳者:篁日向子 )
( 記事ID:20432 )