ディヤルバクル法廷、クルド語での被告人弁論を認めず
2010年10月19日付 Hurriyet 紙

クルド労働者党(PKK)の都市部組織であるクルディスタン社会連合トルコ議会(KCK/TM)の裁判2日目に、被告人らは第1回公判でクルド語での弁論を要求したが、全会一致により却下された。裁判所は訴状の要旨を読み上げることを決定した。(審理での)身元確認の際には興味深いやりとりが行われ、審理は本日(20日)に延期された。

PKKの都市部組織であるKCK/TMの裁判が昨日(19日)ディヤルバクル県第6重罪裁判所で開かれ、この審理には104名の拘束者を含む124名の被告人が出廷した。被告人らはクルド語による弁論を裁判所に要求したが、認められなかった。

第6重罪裁判所におけるKCK/TMの裁判2日目に、被告人らは厳重な警護の下、裁判所に出廷した。裁判長のメンデレス・ユルマズ氏は、被告と弁護士の出廷確認の後、審理を開始した。ユルマズ裁判長は、被告人らのクルド語による弁論、及び(長文の)訴状を読み上げない等の要求を検討したと述べた。ユルマズ裁判長は、刑事訴訟法(CMK)第202条第1項に基づき、被告及び原告に対しては無料で通訳手配が可能であることを確認した。ユルマズ裁判所長は、欧州人権裁判所の見解である、裁判での使用言語は審理を公平に行うという原則を考慮に入れ、「被告人らは尋問・捜査において、トルコ語を話しており、また学歴・社会的ステータスはトルコ語能力があることを示していること等から、欧州人権裁判所の第6条第E項と刑事訴訟法(CMK)第202条第1項の規定は適用されえない。クルド語での弁論は不公平を生じることとなり、また審理が長引かせる恐れがあるため、被告人らのクルド語による弁論の要求は全会一致により認められなかった」と述べた。他方、ユルマズ裁判所長は、訴状の要約を読み上げることが決定されたと説明した。

■それでも返答はクルド語で

審理では身元確認の間に興味深いやりとりがなされた。ユルマズ裁判所長は、逮捕された被告人らを1人ずつ証言台に呼び、身元を明らかにするよう求めたが、被告人らの多くはクルド語で返答した。ディヤルバクル市長のオスマン・バイデミル氏は、身元確認の際、証言台に上がり、自分自身への質問を待った。ユルマズ裁判長が氏名と住所を読み上げると、バイデミル市長はトルコ語で「テシェッキュル・エデリム(ありがとうございます)」と述べる代わりに、クルド語で「ゾルスパス」と返した。

■クルド語を話すのに苦労した

一方で、メフメト・アッバスオール氏とディヤルバクル市トルコ革新労働組合連盟(DİSK)会長ヤシャル・サル氏らを含む5名の被告人はトルコ語を話した。クルド語を知らない被告人らはクルド語を話すのに苦労したように見受けられた一方、被告人らのうち数名は住所等の情報に誤りがあることを指摘し、クルド語で新住所を伝えた。しかしユルマズ裁判長はクルド語は理解しないため、旧住所のまま記録した。その後、ユルマズ裁判長は、読み上げのために訴状を共和国検事イスマイル・アクソイ氏に渡した。7,578ページに及ぶ訴状を900ページにまとめた要旨が読み上げられた。訴状要旨の一部が読み上げられた後、被告人弁護団より被告人らの要求を聞いた裁判所側は、それらの要求はその後の審理で検討すること、及び被告人らの拘束の継続を決定し、審理を本日(20日)に延期した。

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( 翻訳者:石川志穂 )
( 記事ID:20443 )