米軍撤退後のキルクーク地区でのアラブとクルドの軍事衝突を懸念する報告書がウィキリークス上に漏洩
2010年10月26日付 al-Sabah al-Jadid 紙
■ウィキリークスの文書がアメリカの懸念を証明…“係争”地域での緊張関係が軍事衝突に転じる可能性あり
2010年10月26日付『サバーフ・ジャディード』紙(イラク)HP1面
【本紙】
イラク北部におけるアラブとクルドの緊張関係の長い歴史を記した漏洩文書がウィキリークスのサイト上で公開され、2011年末の米軍撤退後に起こりうる事態に対する現地の米作戦部隊の不安が明らかにされた。2009年9月に提出された現場報告書が、「強い立場の第三者によるコントロールと監視がなければ、米軍の撤退後すぐにでも現在の緊張関係が暴力と軍事衝突に発展する可能性がある」と警告していたのだ。
この報告書によれば、北イラクは現地入りしている専門家も憂慮する緊張した状態にあり、クルド自治政府が中央政府と対決するまでの事態は可能性が低いものの、石油の豊富なキルクーク地区をめぐっては激しい紛争が予想されるという。キルクーク地区の経済発展に必要な諸条件は政治的な緊張や争いから離れて保全しなければならないとこの報告書は提言している。
衝突を避けるために舞台裏で計画的に動いていた米軍が撤退した後、いまだ根本的な相違点が数多く、不安定で解決への道筋も見えていない時期にアラブとクルドの政治家たちが主導権争いをする可能性が、こうした懸念の源になっている。
(後略)
原文をPDFファイルで見る
原文をMHTファイルで見る
( 翻訳者:中島希 )
( 記事ID:20507 )