実況!共和人民党、クルチダルオール派とサヴ派内紛
2010年11月03日付 Radikal 紙


最高裁判所共和国主席検事局の「新党規約を適応せよ」という文書をめぐり、共和人民党でケマル・クルチダルオール党首とオンデル・サヴ事務局長の間で亀裂が炸裂した。

最高裁判所共和国主席検事局は10月26日に共和人民党に文書を送り、2008年12月に承認された新党規約が現行の「規則」であるとして、適切な処置を求めた。

そもそも、昨夕には双方が党執行部メンバー選出の件で同意したという情報があった。しかし、これはどうやら事実ではなかったようだ。クルチダルオール党首の召集により14:30に始まる党議会会議の前に、党内の危機が表面化した。

クルチダルオール党首は、No.2としてギュルセル・テキン氏を任命した。これを認めないオンデル・サヴ事務局長と新執行部体制に入れなかったハック・スハ・オカイ氏は反旗を翻した。党議会会議が始まる数分前に、クルチダルオール党首によって同会議の延期が発表された。

しかし、オンデル・サヴ事務局長とハック・スハ・オカイ氏は、党議会のメンバー59人と会議を始めた。このころ報道陣には共和人民党から「党議会会議の開催は中止された」との説明が行われた。

サヴ事務局長が会議を進めている時、クルチダルオール党首が発表した執行部メンバーリストがマスコミに漏れてきた。最初に入ってきたリストには、ギョカン・ギュナイドゥン氏、ギュルスン・ビルゲハン氏、ニハト・マクタプ氏の名前があった。しかし、この3名は就任を拒否した。

■オカイ氏による説明:私たちは党大会開催の決定をした

オカイ氏は59名で行われた党議会会議の終了後に記者会見を行い、ケマル・クルチダルオール党首が参加しなかったこと、オカイ氏が副党首として会議を主催したと語った。オカイ氏は、最高裁からの指示、判決ではなく、ただの伝達文書であると主張した。また、57名の党議会メンバーの署名した3つの提案により、11月27日に党規約制定のための党大会が行われる事が決定されたと述べた。

■サヴ事務局長:党首は規律罪を犯した

オカイ氏につづいてカメラの前にたった サヴ事務局長は、「党首は自身で会議招集に署名したにもかかわらず、それを覆した。彼は党議会会議に出席しませんでした。党議会会議には61名が集まり、協議事項に責任をもって対処しました。党首の出席はなりませんでしたが、副党首が会議を取り仕切りました。まあ、あってはいけない話ですが、党首が病気にでもなったら、その時は、これだけの党議会メンバーが集まりますよ」と述べた。

サヴ事務局長は、共和人民党がいままで体験しなかった党首のやり方に直面していると主張し、「共和人民党は党首一人のものではない。我々は、『私が望む規則を、私が判断して適応する』といった理論に同調するような党ではない。今日(11月3日)党議会会議は不規則な形で開かれたがが、党議会が、その規則内で問題を処理しました。今後、党首がこの無責任なやり方を改め、部族国家的なものの考え方を続けるか否かを一緒に見ていきましょう。私たちの党首はこの振る舞いにより、共和人民党の党規約規律に違反したのです。規律罪が成立しています」と語った。

■党首選挙のための党大会を要求すべきだった

共和人民党がこれまでも何度も危機を乗り越えてきたと主張するサヴ事務局長は、「これらの危機は共和人民党には容易いものです。今回も簡単に乗り越えますよ。もし、私たちの手中に、この党議会会議で、(党首)選挙を伴う党大会開催を決める権限があったのなら、その決定もしたでしょう。残念ながら、臨時党大会で党首選挙を行うかどうかの権限は、党首だけが持っています」と述べた。サヴ事務局長は、もしクルチダルオール党首が党首選挙のための党大会を開きたいというなら、大歓迎だと述べた。サヴ事務局長は、党議会会議は党首不在のまま開催できると主張し、「党議という組織を無視した」クルチダルオール党首の責任を追及した。

■共和人民党はだれのものではない

サヴ事務局長とオカイ氏につづいて、カメラの前に現れたクルチダルオール党首は以下のように語った。

「規律はとても明解だ。党首が召集したのではない党議会会議では、決議を取ることが出来ない。私たちは人々を愛し、党員も執行委員会に集まった友人のことも愛しています。だが、規則には従わなければなりません。党のポストの椅子は、誰かが「父親からもらった」所有物ではありません。誰かが『これは私のポストだ。無理やり奪うなら、仕返しをする』と言うなら、私は絶対にこれを見過ごすわけには行きません。彼らは、私たちCHPに、現状維持を押しつけようとしています。我々は、トルコの恐怖帝国(現AKP政権を指す)を倒すと言ってきました。まずは党内にある恐怖帝国も倒したのですから、このやり方を続けていきます。共和人民党は私の物でも、誰かが父親から譲られた所有物でもありません。私たちはこの職に、仕事をするために座ったのです。だからふさわしい仕事を成し遂げて見せます。私は国民を愛し、国民の皆さんから力を貰っています。他の場所から力を得ている人に、もうこの党で居場所はありません。誰も党内で恐怖の水路をつくってはいけないのです。私たちは党内に民主主義を導入します。我々は、ブロックごとに党議会候補者リストをつくるようなやり方ではなく(blok liste)、統一リスト(çarşaf liste)というやり方をとります。執行部総会の前に人々が集まって、署名活動をするようなこと、これも私たちは廃止します。『それは私の権限だ。私の許可なしに話すな。彼らは車をとりあげた。他の奴に車を与えるな』といったことはありえないのです。私は固く決意をしています。支えを国民から得ているのです。私は国民を信頼しています。党員に、代表者に、国民に呼びかけています。私に力をください、決定権をください、と。共和人民党を、アタテュルクの自由な共和人民党にしましょう。」

■クルチダルオール党首はリストを公開

クルチダルオール党首は、その後、党の執行部メンバーリストを公開した。最初にメディアに伝えられたリストに名前が載っていたギョカン・ギュナイドゥン氏、ギュルスン・ビルゲハン氏、そしてニハト・マクタプ氏の代わりにディデム・エンギン氏、メフメト・ゼキ・ギュンドゥズ氏、スヘイル・バトゥム氏が党運営に加わった。共和人民党の新運営陣は以下のように発表された。

ギュルセル・テキン:組織担当副党首;
フルシット・ギュネシュ:総務財務担当副党首;
イサ・ギョク:選挙及び法律担当副党首;
ハヤティ:ユクセル:地方党組織担当副党首;
スヘイル・バトゥム:広報及び宣伝活動担当副党首;
オウズ・オヤン:外務・国外組織担当副党首;
ディデム・エンギン:女性組織・女性部門担当副党首;
メフメト・ゼキ・ギュンドゥズ:青年組織・青年部門担当副党首;
ウムット・オラン:経済財政担当副党首;
メフメト・アリ・オズポラト:渉外担当副党首;
センジェル・アヤタ:研究・開発BYK(学問・運営・文化)綱領担当副党首;
メルダ・オヌル:党内教育担当副党首;
スヘイル・バトゥム:事務局長

■本部で緊迫の数時間

このリストの公開後は、両陣営とも本部を離れなかった。サヴ事務局長とその一団は、公開後4階にある党議会の部屋でケマル・クルチダルオール党首が2階で行なった記者会見の模様をテレビで見ていた。クルチダルオール党首の方も、リスト公開後は12階にあるオフィスに移動した。クルチダルオール党首もサヴ事務局長も、本部に残り、それぞれ仲間と会議を続行した。

■サヴ事務局長:「共和人民党とは何か」が議論されている

オンデル・サヴ事務局長は、19時頃にもう一度説明を行ない、以下のように語った。「共和人民党の大多数は現在、私の側にいる中央の執行部メンバーです。彼らが執行部であることは、合法です。あの状況は期せずして生まれたのです。(クルチダルオール党首による)新執行部メンバーの任命は、法的に問題のある行為です。最高裁判所共和国主席検事局はおろか、世界で最も権限のある法律機構に行ったとしても、これは法的に間違っていると判断されるでしょう。法律の不具合は、綺麗な言葉でも隠せません。共和人民党とは何かが議論されるようとしているのです。この戦いでの私たちの立ち位置は明確です。全員が執行部のメンバーです。(中略)クルチダルオール党首のこの逃走は、すなわち、党会議を招集しながらにげだした、この逃走の最後はどこに辿り着くのでしょう。今日、(クルチダルオール党首側につき)自身の権限を誤って使った人々も、やがて、党首にその責任を問うことになるでしょう。」

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( 翻訳者:智原幸穂 )
( 記事ID:20580 )