英、イエメン発貨物航空機の入港を禁止
2010年11月02日付 Al-Nahar 紙

■イエメンから高性能爆薬が仕掛けられた小包2点。更に13点を同時に発送。
■イギリスがイエメン、ソマリア発の航空貨物便入港禁止措置。

2010年11月2日付『アル=ナハール』紙(レバノン)アラブ国際面

【サナア:アブー=バクル・アブドゥッラー、各通信社】
【他都市:各通信社】

イエメン発の貨物2点から300~400グラムの爆発物が見つかった件で、イギリスはイエメンおよびソマリア発の航空貨物便の入港を禁止、ドイツもサナア発の旅客機受け入れ停止を決定するなど、イエメンに対して公式に宣言されない形での航空封鎖のような状況が生れた。そのイエメンでは、当局が空港や港における安全対策を強化しており、疑わしい26点の小包が発見され、別の13点が国外に輸送されたことが確認されたことを受けて、逮捕キャンペーンを継続している。

この小包問題の調査に複数国が参加したことを受け、ドイツの安全保障筋は、これら2つの小包には、高性能爆薬ペンスリットが300あるいは400グラム含まれており、もし爆発していれば深刻な被害が起きていただろうと発表した。また、「高度な」起爆装置も搭載されていた。そして、ドバイで発見された小包は、カタール航空の旅客機で運ばれていたのだが、それには300グラムの爆発物が含まれていた。一方、ドイツを通過した後イギリスで押収されたもう1つの小包には、400グラムのペンスリットが含まれていた。これは、昨年のクリスマスの飛行機爆破のために使用される予定だったものと同じ物質だという。

米CNN局は、発見された小包2点と同時に、更に15点ほどの疑わしい小包がイエメンから発送されたと報道しており、このことは未だに行方不明の更なる爆発物がどこかにあることを意味する。

また英BBC局は、爆発物が仕掛けられた小包の発見に繋がった情報は、最近改心を表明し、2週間前にサウジアラビア当局に投降した元アルカーイダ構成員、ジャーベル・アル=ファーイフィーから提供されたものであったと述べた。アル=ファーイフィー元構成員は、グアンタナモ収容所の元被収容者で、出所後サウジアラビアでリハビリテーション・プログラムに参加したが、その後サウジ当局に投降する前は「アラビア半島のアルカーイダ」に所属していた。

またサウジアラビアの『アル=ワタン』紙は昨日、同国の安全保障担当者らが小包摘発につながる情報を米国に提供したと報じた。イエメンの安全保障担当者らは、内部から情報を得るためにサウジアラビア当局がアル=ファーイフィーをアルカーイダへ諜報活動員として潜入させたという可能性を否定しなかった。

テルアビブでは、イェスラーイール・カーツ運輸相が、この小包の件に関してイスラエル政府は発見の前夜から情報を把握していたと示唆した。同国の『イェディオット・アハロノット』紙は、ベングリオン空港で大規模な訓練が開始される前に、運輸相の発言を以下のように伝えた。「木曜日から、イスラエルの担当者らは世界各地の空港からイスラエル向けに発送される航空貨物の安全を保証する。同担当者らは木曜日以降、イスラエルおよびユダヤ人が集まる地域に配送される貨物類の安全保障のため、世界各国の慎重を期すべき空港に配置される。」


(後略)

Tweet
シェア


原文をPDFファイルで見る
原文をMHTファイルで見る

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:加瀬冴子 )
( 記事ID:20625 )