アフマディーネジャード「500万人がテヘラン州から移住しなければならない」
2010年11月08日付 Mardomsalari 紙
【政治部】「テヘラン州全体から、最低でも5百万人を移住させ、テヘラン市からも約3百万人が移住しなければならない。この数字はきちんとした計算にもとづくものだ」。
マフムード・アフマディーネジャード大統領は昨日、テヘラン州の高官らの集まりのなかで再びこのように強調し、「昔話」をよみがえらせてしまった。
同氏は、テヘラン州は最も良い州であらねばならないと述べ、「すべてのイラン国民は、テヘラン州はあらゆる点において最も良い州であることに、関心を抱いている。テヘラン州は国の中心であり、国民の名誉の根元だからだ」と明言しつつ、「もちろん、国全体の発展こそ、政策の基本だ。テヘランへの人口流入を止めなければならない」と付言した。
アフマディーネジャード大統領は、テヘランにはいくつか根本的問題があり、きちんとした計画を立てて、その解決に努力しなければならないと指摘し、「第一にして最も重要な問題は、この州の人口である」と語った。
同氏はテヘランの抱える問題として、交通渋滞、時間の浪費、大気や土壌の汚染、水問題、そして生活費の高さなどを挙げ、「テヘランは地震ラインの上に位置し、この街にある断層は徐々に活発化しつつある。このことが懸念を生んでいるのである」と指摘した。
同氏は別の発想で計画をたてなければならないとし、「人口の集中を減らすべく、行動しなければならない。テヘラン〔にある首都機能の〕移転計画を真剣に考える必要がある。これは、『マスト』(必ずしなければならないこと)だということを認識すべきだ」。
大統領はその上で、「テヘラン州全体から、最低でも5百万人を移住させ、その内テヘラン市からは少なくとも3百万人を移住させなければならない」と述べた。
〔‥‥〕
こうした大統領の発言の一方で、手許の統計によると、これまでにテヘランからの移住の登録を行ったのは1万人程度にすぎず、3百万人あるいは5百万人という数字とは、無視できない差がある。
国営企業のテヘランからの移転は、ほぼ第9政権〔=第一次アフマディーネジャード政権〕発足当初から、一つの基本的スローガンとして繰り返し唱えられてきたものだが、この点についてこれといった実効性のある動きは、まったく見られていない。
実際のところ、この数年、「首都の移転」、「国営企業会社のテヘランからの移転」、そして「人口のテヘランからの移動」という三つの相関連するテーマについて、しばしば小耳に挟むことがあったのも事実だ。
そのなかでも最も興味深い事例が、先のファルヴァルディーン月〔2010年4月〕に起きた。アフマディーネジャード大統領がテヘラン地震を予想した上で、テヘラン市民に向けて、〔‥‥〕国内の別の場所での生活を考えるよう訴えたのである。
このとき、同大統領はさらに次のように加えていた。「もちろん、政府はテヘランからの移住を希望する〔政府〕職員には、それ用の便宜を用意するつもりである」。
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(本記事は
Asahi中東マガジンでも紹介されています。)
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( 翻訳者:古賀夏樹 )
( 記事ID:20644 )