バンドペイ議員、結婚前のエイズ検査の義務化を提案:「結婚週間」を控え
2010年10月27日付 Jam-e Jam 紙
【社会部:マンスーレ・バラーダラーン=ナスィーリー】「結婚週間」(アーバーン月17日〜24日〔※11/8〜15〕)が近づく中、それに合わせて考慮に値するさまざまな提案・計画が出されている。なかでも、国会保健委員会の運営委員を務めるモフセニー=バンドペイ氏は、結婚前のエイズ検査の義務化を提案している。
こうした提案は、特に目新しいものではないが、しかしイランにおけるHIVウィルス罹患者の増加にかんがみるならば、この提案を再度検討してみるのも、それなりに意味があるだろう。
現在すでに、結婚にあたってサラセミア(地中海貧血症)および麻薬中毒の検査を行うことが義務化されており、若い夫婦は結婚前に、これらの検査結果を結婚登録事務所に提出することになっている。しかし結婚にあたってエイズ検査を行うことは、義務ではない。
公式の統計によると、イランにおけるエイズ罹患者の数は、2万人と発表されている。しかし世界の統計〔の常識〕では、エイズ罹患者の実数は、確認された数の4倍にのぼると考えねばならないとされており、それゆえ、イランでのエイズ罹患者の数も8万人はいると考えられている。
国会保健委員会の運営委員を務めるアヌーシールヴァーン・モフセニー=バンドペイ委員は、イランでのエイズ罹患者の数が増加傾向にあることを指摘した上で、「エイズや肝炎といった病気にかかっているかどうかについて、人はあまり言いたがらないものだが、これらの病気を〔婚前に〕検査することは、〔配偶者・子供への〕感染予防にも、家族という基盤の維持にも寄与するものだ」という。
同氏はイラン学生通信とのインタビューで、さらに次のように付け加える。「これ〔=結婚前の検査〕はきわめて望ましい。なぜなら、遺憾ながら現在、これらの病気が増加傾向にあり、こうした病気のキャリヤーたちのなかには、病気にかかっている事実を隠そうとする者がいるからである。それゆえ、結婚前にこれらの検査を行うことには、予防という意味も、また夫婦両者が互いが安全であることをきちんと確認しあうという意味も、存在するのである」。
この国会議員(ノウシャフル、及びチャールース選出)によれば、結婚前にエイズや肝炎の検査を行うことには、社会に住む各人の〔衛生・健康に対する〕知識の増進という効果もあるという。
同氏はさらに、こうした検査は夫婦が互いをより信頼・信用し、安心して末長く人生をともに歩むことにつながり、また夫婦が結婚前の期間に、安全かつ清らかで、倫理的不義から無縁の生活を送っていたことを証明することにもなることから、家族という基盤の維持・強化に基礎的役割を果たすはずだ、とも指摘している。
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( 翻訳者:斎藤正道 )
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