G20でオバマ・エルドアン会談、「ミサイル配備を討議」
2010年11月12日付 Hurriyet 紙
レジェプ・タイイプ・エルドアン首相は、G20首脳会議で会したバラク・オバマ米大統領に、トルコがNATOのミサイル防衛システムについて慎重であることを伝えた、と述べた。
エルドアン首相はオバマ大統領との会談後、ソウルで記者会見を行い、アメリカ合衆国大統領と行った2者会談で、NATOがトルコでの配備を計画しているミサイル防衛システムが話題に上がったことを明らかにした。
G20首脳会議が行われた複合施設COEXで実現し、およそ30分続いたこの会談で、エルドアン首相はオバマ大統領にミサイル防衛についてのトルコの憂慮を伝えたと語り、トルコ政府の要望も述べたことを明らかにした。
エルドアン首相は、「NATOの決定が必要であり、ミサイル防衛がトルコの国土全てを覆うことを条件とすること、そしてミサイル防衛のコントロールについて我が国がどれだけ慎重であるかを話し合った。オバマ大統領も我々にとってデリケートな問題であることを理解してくれたと思う」と述べた。
エルドアン首相は、このミサイル防衛システムが特定の国を標的にするものであってはならないとし、この点について、「技術的説明を要求」、オバマ大統領がこの要求を「肯定的にとらえた」と見ていることを述べた。
エルドアン首相は、11月19-20日にリスボンで行われるNATO首脳会談にアブドゥッラー・ギュル大統領、アフメト・ダヴトオール外務大臣、そしてヴェジュディ・ギョニュル防衛大臣が参加し、ここで行われる会議の結果、トルコは最終決定を行うと述べた。
■トルコの3つの条件
NATOは、リスボンで行われる首脳会議での決定を見込んでいる防衛システムにより、「イランとその他のならず者国家から発射されうるミサイル攻撃に対する共同防衛」を目指している。
トルコには、問題の「ミサイル防衛システム」に関して3つの条件がある:
1.システムはある国(アメリカ合衆国)が強要するものでなく、NATOの防衛システムであるべき。
2.トルコ全土とNATO加盟国を完全に防衛網に加えなければならない。
3.防衛システムは、トルコをあるグループの国(ロシア、イラン、シリアなど)に対立させ、冷戦時代のように傘下国の立場に押し込むような手法を含まない。
これらの条件が認められた場合には、トルコがミサイル防衛システムの国内配備を是認すると見込まれている。
■ソウルで羨望を呼んだ首脳会談
エルドアン首相は、韓国の首都ソウルで行われたG20サミットで、ロシアのドミートリー・メドヴェージェフ首相とも会談を実現させた。会談の知らせを受けたイタリアのシルヴィオ・ベルルスコーニ首相も急いで会談に参加した。会議室では3人の笑いが響き渡り、他の国の指導者たちは、この首脳会談を羨ましそうに見ていた。
エルドアン首相がメドヴェージェフ、ベルルスコーニ両首相と、G20首脳会談で取り上げられたテーマの他に、エネルギー問題について話し合ったことが伝えられている。
(本記事は
Asahi中東マガジンでも紹介されています。)
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( 翻訳者:林奈緒子 )
( 記事ID:20673 )