「我々も猫には猫という」―エルドアン首相のNATOリスボン会議評論
2010年11月22日付 Radikal 紙
エルドアン首相は、北大西洋条約機構(NATO)のミサイル防衛(MD)計画がイランを念頭に置いていると示唆したニコラ・サルコジ仏大統領の発言に返答した。
エルドアン首相は、リクソスホテルで行なわれたファーティフ・プロジェクトの調印式後に報道関係者らの質問に答え、イスラエル軍に近いインターネットサイトに掲載された「トルコがミサイル防衛(MD)計画を指揮する」とする報道についてコメントした。エルドアン首相は「今のところMD計画に関して協議・発表された事柄は周知のとおりだ。一つは、防衛を目的とするMDシステムをNATOが構築するという決定。二つ目は、レーダーシステムを配備するという決定。もう一つは、明確な対象を定めないという決定。ここで重要なことは、公正かつ公平な分担、つまり負担額の確定である。指揮権に関しては今後行われる会議で明らかにされるだろう」と述べた。
エルドアン首相は、今のところ誰が指揮権を持つかということは明らかになっていないとし、次のように続けた。「我々はNATOが全面的に指揮権を持つべきだと述べた。今後の展開の中で我々の立場がどのように展開するのか分からないので、今何かを断言するのは尚早である。我々は、指揮権は、絶対にNATOが持つべきだと発言した。NATOは、ご存知のように、攻撃システムを構築しているのではなく、防衛システムを構築している。NATO結成の目的も攻撃でなく防衛のための同盟である。今後の会合で、どの国にMDやレーダーシステムが配備されるか、またそれに従って指揮権をどの国が持つかということも明らかにされるだろう。この件におけるトルコとしての一貫した立場は以前述べた通りである。この点で我々に対する反応は好意的なものである。」
エルドアン首相は、トルコで一部の政党がNATOに対し異なる考え方をしていると述べ、「これらの考え方は以前から存在していた。これには慣れている。リスボン首脳会議にはもはやロシアさえ参加しているのだ。世界では多くのことが変化しているが、残念ながらトルコには変わらないメンタリティーがある。私は今後の会議において賢明で適切な処置がとられると信じている」と述べた。
(中略)
■我々も猫には猫と言う
NATO会議においてニコラ・サルコジ仏大統領が「我々は猫には猫と言う」という内容の発言をしたことに関し、エルドアン首相は次のように述べた。「サルコジ氏の言ったことをあなた方がどのように理解したか私には分からないが、我々も猫には猫と言う。しかし今回の会議では(MD計画の脅威の)対象が明確に示されなかったことを考えると、彼は単に自分の考えを吐露したに過ぎない。彼には申し訳ないが、我々はそのようなこと(イランが対象とされていること)は全く考えなかったし、今も考えていない。また、そのようなことを議論する予定もない。トルコでMDやレーダーが配備されるかも未だ分からないのであり、対象がどうこうという話はあり得ない。(MD計画には)明確な対象などないので、サルコジ氏は自己流に解釈したことを述べているのだろう。自縄自縛に陥りかねない。」
エルドアン首相は、NATO首脳会議においてアメリカがトルコに対しギリシャ側キプロスへ空域および海域を開放するよう要求したことに関する質問には、以前フィンランドが(EU)議長国を務めた際に行なった発表に言及し、次のように返答した。「もし同時に彼らも開港へ準備をすすめるなら我々も同意しようと述べた。しかし、機会を利用して駆け引きだけを行おうというのなら、我々はそれに応じないと述べた。我々の態度に変わりはない。彼らがもし同時に港を開放するなら我々もそうする。関係大臣たちもこの件に関しては常に同様の発言をしている。我々も国際会議で同じ事を主張している。誰も我々から異なった対応を期待しないでいただきたい。時局も決して彼らが望むようには動いていないことも付け加えておきたい」と話した。
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( 翻訳者:篁日向子 )
( 記事ID:20760 )