■イラクの「アル=カーイダの子供達」、犠牲者はその家族
2010年11月19日付『アル=ハヤート』紙(イギリス)HP1面
【バグダード:本紙】
イラクで子供達による自爆テロという現象が一時的に減少したことが、最近の研究で指摘された。だが本紙に今日掲載されているリポートでは、むしろこの現象はすそ野を広げ、アル=カーイダが徴兵した子供達の家族が標的となったり、知的障害のある子供、さらにはアル=カーイダの構成員や幹部の子供までリクルートされたりしている実態が明らかにされている。
アル=カーイダが少年少女を徴兵するやり方は、情報収集・監視・自爆テロの実行等、任務によって異なる。リポートにはイラク国内で自爆テロが実行された地区を示す地図も添えられている。
本紙が訪れたイラクの少年刑務所には、自爆テロの実行に失敗し逮捕された子供達や、イラク治安軍による掃討作戦中に逮捕された子供達が複数収容されている。また収監中のアル=カーイダの元幹部たちも、少年兵のリクルート方式とアル=カーイダが目指す目的について説明している。その1人であるアブー・アル=ワリードによると、最初に子どもたちの徴兵を決定したのはアブー・ムスイブ・アル=ザルカーウィで、成年男子の徴兵が難しくなったためだった。またアル=カーイダはディヤーラ県の荒野にキャンプを設営し、子供達の訓練・動員を行ったという。
一方、こうした子どもたちが遂行した任務については、アル=カーイダを支持していない自分の家族を殺害した者から、イラク軍の検問を狙って自爆する前に逮捕された者まで、様々な話が伝えられている。
子供たちの徴兵活動がピークにあったのはイラク国内が内戦状態に陥った2006年と2007年だったが、イラクの研究者らはこうした現象は2003年のサッダーム・フセイン政権崩壊以前にまでさかのぼると見ている。前バアス党政権直属の民兵組織「フェダーイーン・サッダーム」は、監視や情報収集で子供たちを利用していたからだ。当時、そうした子供達の犠牲になったのは彼らの家族自身だった。子供達が家族の監視に当たっていたためである
イラクのジャワード・アル=ブーラーニー内相は、最近アル=カーイダが被った打撃によってこうした現象は勢いを弱めていると強調しつつも、少年少女から構成される休眠状態のテロ分子が存在しており、それを治安当局が追跡していると指摘した。
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( 翻訳者:川上誠一 )
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