バルヨズ疑惑で事情聴取の軍高官3名、大臣権限で解職
2010年11月24日付 Hurriyet 紙
先の高等軍事評議会で、バルヨズ捜査の容疑者であるため昇進出来ていなかった陸軍少将二人と海軍准将一人が解職された。
ベシル・アタライ内務大臣は、バルヨズ捜査で名前が挙がっている軍警察陸軍少将ハリル・ヘルヴァジュオール容疑者を解職した。ヴェジディ・ギョヌル国防大臣も、先週月曜日にギュルブズ・カヤ陸軍少将とアヴドゥッラー・ガヴラレムオール海軍准将が解職されていたことを発表した。
■アタライ内相、ヘルヴァジュオール陸軍少将を解職
スター紙のジェヴヘリ・ギュヴェン記者の記事によれば、ベシル・アタライ内務大臣はバルヨズ裁判被告ハリル・ヘルヴァジュオール陸軍少将を解職した。この決定は、第926号トルコ国軍人事法の解職について定めた第65条にしたがって実行された。2010年11月22日付けの解職決定は、一昨日、内務省が早急な実施を求め、参謀本部と軍警察総司令部に伝えられていた。同省の書類は、ヘルヴァジュオール陸軍少将自身にも同じ日に伝えられた。ヘルヴァジュオール容疑者は解職され、八月の高等軍事評議会で任命された軍警察総司令部評価及び監督長官の役職と権限を失った。
■重罪に言及
解職に関わる記事では、(書類の内容に言及し)ヘルヴァジュオール陸軍少将について、イスタンブル第10重罪裁判所のE: 2010/283号のファイルに言及した。また、ヘルヴァジュオール容疑者が政府転覆計画に関わっていたとされ、同容疑者に関わる裁判で犯罪の内容と証拠が指摘されたことが強調されていた。さらに「第926号トルコ国軍人事法の第65条に従って解職された。(本件を)お伝えし、必要な措置をとられること、この件を上記の者に本日至急通知し、その通知書類の写し一通を私の許に送られるようお願いします。内務大臣」と記載されていた。
■高等軍事評議会で昇進なし
最新の高等軍事評議会で、ギュルブズ・カヤ陸軍少将とヘルヴァジュオール陸軍少将、アブドゥッラー・ガヴレムオール海軍准将は、起訴を理由に昇進出来ていなかった。昇進は出来なかったが、他の職務に任じられた軍高官三名は、軍事高等行政裁判所に対して訴えを起こし、高等軍事評議会の決定を無効としたといえる判決を引き出した。同裁判所はバルヨズ裁判に関わる3人の将軍を昇進させ、以前の措置の停止を命じた。3将軍は、このように文民が承認権限をもつ軍人の昇格に関わる高等軍事評議会の決定を、軍事高等行政裁判所を介して突破する策を見つけたが、内務大臣の解職決定は彼らの試みを阻んだ。
■全権は大臣に
第926号トルコ国軍人事法の、解職もしくは逮捕された将校、軍務公務員についての原則を含む第65条は、国防大臣にも内務大臣にも解職権限を与えている。第65条は、「死罪や重罪にあたる罪や恥ずべき罪、職務違反を除き、5年かそれ以上の懲役にあたる罪、もしくは命令不服従、上司や上官に実際に暴力を振ったりまたは侮辱する抵抗罪を理由に起訴された人物は、所管の省によって解雇することができる」と書かれている。「条項の『e』項では、「昇格待ちの人物のうち一定の職務に従事していない人物の昇格と地位の昇進は行われない」という規定が明記されている。
■代行者任命
高等軍事評議会でアヴドゥッラー・ギュル大統領とエルドアン首相が(3人の)昇格に反対しているため、ハリル・ヘルヴァジュオール陸軍少将が(任命予定の)陸軍中将ポストにあたる軍警察総司令部評価及び監督長官職、ギュルブズ・カヤ陸軍少将が(任命予定の)陸軍中将ポストにあたる測地司令官職、アブドゥッラー・ガヴレムオール海軍准将が(任命予定の)海軍少将ポストにあたる海軍人事長官職、この3職には代行者が任じられていた。
■エルドアン首相:同じことを国防大臣も行う
レジェプ・タイプ・エルドアン首相はレバノン訪問前に空港で新聞記者らの質問に答えた。エルドアン首相はヘルヴァジュオール陸軍少将の解職に関する質問に以下のように答えた。
「アタライ氏がおこなった解職処置を国防大臣も行うことができます。おそらく今までも実施されていたはずです。まあこの処置が最初であるかないかは調べていませんが。しかし全て法に則ったものです。大臣達に与えられた、そして閣議に付与された権限でもあります。もしくは三者の決定によって解任できました。公務員の解雇の権限を任命権者が持っているなら、ここでもそうしたということです。この権限により内務大臣も国防長官も権利を行使しました。」
■ギョヌル国防大臣:カヤ陸軍少将とガヴレムオール海軍准将は月曜に解職
エルドアン首相のこの説明を受け、注目はヴェジディ・ギョヌル国防長官に集まった。内務大臣がヘルヴァジュオール陸軍少将に関して下した解職命令と同様の決定が、ギュルブズ・カヤ陸軍少将とアブドゥッラー・ガヴレムオール海軍准将に対しても、同様に国防長官によって下されていたことが判明した。ギョヌル大臣は今朝、カヤ陸軍少将とガヴレムオール海軍准将が月曜日に解職されたと述べた。
■エルドアン首相にゲディクテペで報告した司令官
ギュルブズ・カヤ陸軍少将は兵士12人の殉死者が出たゲディクテペで、エルドアン首相に状況報告した司令官として知られている。
■解職への反応はまず共和人民党から
共和人民党会派副代表であるケマル・アナドル氏は、陸軍少将二人と海軍准将一人の解職を「文民によるクーデター」として性格付けた。また「復讐。これはクーデター、文民によるクーデターだ。与党の考え方を示している。権利を求める自由を、まるで悪事をはたらくかのように捉えるレジェプ・タイプ・エルドアンと公正発展党の考え方だ」と語った。
■民族主義者行動党から司令官の件で質問
民族主義者行動党会派副代表オクタイ・ヴラル氏も司令官の任務解雇に反発し、「この権限がなぜ今行使されているのか」と質問した。
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( 翻訳者:智原幸穂 )
( 記事ID:20772 )