テロ組織PKKの指導者アブドゥッラー・オジャランは弁護士らとの前回の接見で、ディヤルバクル広域市長オスマン・バイデミルの「武装闘争は時代遅れ」という発言を厳しく批判し、彼を辞任に追い込もうとしたが、今週の接見では、彼に「民主的自治のための憲法を準備せよ」と、新たな任務を与えたとされている。オジャランは、政府側との交渉によって2011年3月1日までに結果を出せなかった場合、「戦いは泥沼化する」と語り、PKKの武装解除プロセスを白紙撤回させると脅した。
イムラル島で刑が加重され終身刑で服役しているアブドゥッラー・オジャランが今週、弁護士と接見した際のものといわれる発言が、PKKに近いとされるインターネットサイトに掲載された。これによれば前回の接見で、「問題の解決において武装闘争が1つの手段であるという状況ではなくなった」と発言したために怒りをかったバイデミル市長に対し、オジャランが今回は別の任務を与えとされ、「民主的自治はクルド人固有のシステムである。民主的自治を規定する憲法のための努力は可能だし、準備しておくことは悪くない。バイデミルと他の市長たちがこの問題に関わるというのは一案だ」と発言した。
オジャランは、クルド問題解決のために、政府の関係機関と進めていた会談にも言及し、この1ヶ月は、何の接触もされていないと語った。オジャランは、これらの会見は話し合いではないと述べ、「本来、私は一人の仲介者、調停者だ、ここでは。私は国家とPKK間の仲介者だ。なぜならばまだ話し合いの段階に至っていないからだ。話し合いの段階になれば、問題について話し合う。しかしまだ我々が具体的に話し合った問題はない。なぜならば政府がまだ決断していなかったからだ。話し合いとなっても、これがどのような結論となるかはわからない」と語ったと伝えられた。
話し合いで2011年3月1日までに結論が出なかった場合、悪いプロセスが始まりうるとオジャランは脅し、「3月1日までに話し合いで意味のある和平に至らなければ、私はこの仲介から身を引く。身を引いてから、『できなかった。失敗した。国家も、政府も解決に至らなかった。これ以上自分は仲介者になることはできない』と言うつもりだ。それ以上彼らとは関わることはできない。交渉期限は3月1日だ。ゼロに向けたカウントダウンが始まった。3月1日までにもしも解決に至れなければ戦いは深刻化する。できるかできないか、戦うか戦わないかは彼らのみぞ知るだ」と語った。
オジャランは弁護士らとの接見で、この5年間、PKKの側は武力闘争をエスカレートさせることができず、国家の側も解決策を編み出すことができなかったとし、両者とも手詰まりの状態だと語ったとされた。
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( 翻訳者:富田祐子 )
( 記事ID:20788 )