漏えい米外交公電の中のトルコ―外交「トルコのオスマン的態度は懸念材料」
2010年11月29日付 Zaman 紙

ウィキリークスのインターネットサイトは、アメリカの反対にも関らず新しい文書を様々な報道機関を通じて発表した。機密文書は興味深い詳細な情報を含んでいる。

アメリカの元アンカラ大使ジェームス・ジェフリーが書いた2010年1月20日の「トルコの新しい外交政策の背景は何か?」と題された文書で「アメリカにとって潜在的に最も大きな戦略的問題は、バルカン半島と中東地域におけるトルコの、新たなオスマン的態度である」と述べられている。

文書には次の記述がある。

「この『復古』の動きは、ダヴトオール外相が行ったサライェボでの演説ではっきり現れていた。トルコ人たちは、この態度を、常に問題を発生させる、(バルカン、中東の)困りものたちにも気付かせた。(近年の)成功とそれなりの力をもっているにも関わらず、トルコは、各地域の指導国(バルカン半島におけるEU、カフカスと黒海でのロシア、中東でのエジプトやサウジアラビア、さらにはイラン)と真の意味では競うことができない。流れに加わろうとするトルコは、抑圧された、あるいは、圧力下にある集団(例えば[ボスニア・ヘルツェゴビナ外相の]シライジッチや[ハマスのハリド・]ミシャールまたはアフマディネジャド)を見つけては陰でこそこそやるしかないのだ。」

トルコの新しい外交政策はトルコ自身にとって「ごちゃごちゃのかばん」であるとするジェフリー氏は、次のように述べている。

「地域の深刻な問題をトルコに背負わせることはアメリカがめざすべき目標である。しかし、このことは、同時に制御の難しさももたらす。アフガニスタンやパキスタン、イラク、NATOのようなわれわれにとって最高ランクで重大な問題に関し、トルコは非常に重要な同盟国である。(とはいえ、トルコがミサイル防衛システムの問題でリーダーの役割を担うことは、容易ではないだろう。)インジルリキ基地とハブル国境門、さらに、イラクやアフガニスタンでの軍事行動のためトルコ空域を使うことは、我々のために必要なことである。」

同氏は、イスラエル・トルコ関係が依然、深刻であるとし、「もしトルコが、彼ら自身も求めるようにシリアをイランから遠ざけることに成功し、外交政策で真の成功に到達したら、これは我々全てにとっても利益になる。しかし、イランの問題は別の問題だ。トルコとイランとの関係は、他国との歴史的関係よりも複雑だ。内政上のいくつかの問題が、トルコを間違った方向に導いている」と述べている。

(本記事はAsahi中東マガジンでも紹介されています。)

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( 翻訳者:尾形知恵 )
( 記事ID:20812 )