世界規模で物議を醸しているウィキリークスで漏れた複数の文書において、首相府のある幹部が、在アンカラアメリカ大使館にレジェプ・タイイプ・エルドアン首相の人柄について情報を提供し、そこでエルドアン首相は「完璧主義者でワーカホリック(仕事中毒)、公正で慈悲の心のある人」と評されているという。
ウィキリークスで公開された2007年7月26日付けの在アンカラアメリカ大使館文書には、「首相府のある幹部」の情報として、レジェプ・タイイプ・エルドアン首相に関する人物評が記されていた。
文書では、問題となっている首相府幹部は「内部のだれか(インサイダー)」だとされており、エルドアン首相は周囲の人々のためを思い、「完璧主義者でワーカホリック(仕事中毒)」であるとしている。また、文書には次のように書かれていた:
「内部の人間によると、上司であるエルドアン首相は大変民主的であるが、全体として彼を分析すると、彼は支配下にある人々を厳格に独裁的に支配する、気前が良く人を圧倒するような人物であるらしい。」文書には、こうした見方はある1人の人物による印象であると記されており、この人物がエルドアン首相と近い関係で仕事をしていた点に注目している。
この幹部はエルドアン首相の人間性に関する情報も伝えているとされ、エルドアン首相が首相自身にも周囲の人間にも完璧な仕事を期待していて、さらに完璧な仕事でさえもさらにブラッシュアップさせようとしていたと記されていた。
また、ワーカホリック(仕事中毒)とされるエルドアン首相には、3日間の休暇でさえも長く、周囲の人間も同じペースで働いているという。文書にはさらに次のように書かれている:
「エルドアン首相についてよく知るようになると、我々が接触した人物(ある首相府幹部)が我々に言っているように、大変頑固だと分かるだろう。何かを思いつくと、また何かを信じこむと、それを決してあきらめない。エルドアン首相は意志の固い人物である。また、外国首脳も含め、人々とのコミュニケーションにおいては大変能力があり影響力がある人物である。(内部幹部は)たとえば、(ジョージ・)ブッシュ首相との長時間に及ぶ会議や、さらに、氷のような(ロシア首相ウラジーミル・)プーチンがエルドアン首相をハグしたことに言及している。」
文書には、エルドアン首相が同僚たちとの関係において公正な人物であることが記されており、スタッフをサポートし、要望にも耳を傾けると記されていた。
問題となっている文書には「(内部幹部は)エルドアン首相が慈悲深い心の持ち主で、それが、同僚たちが確固たる忠誠心を彼にささげる理由であるという」と書かれている。エルドアン首相が首相専用装甲自動車に閉じ込められた際、窓を割って首相を救出したものの、(自身の過失のために)首相の命を危険にさらしたボディーガードのハリト氏を、それにも関わらず解雇せず、また、マスコミでも多くの報道がなされたにも関わらず、ハリト氏のこの失態を自分に対する忠誠心と愛情のしるしであるとして評価したと記されていた。
ウィキリークスによると、「内部幹部」はエルドアン首相の健康状態にも触れ、大変良好であるとしている。
この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る
原文をMHTファイルで見る
( 翻訳者:萩原絵理香 )
( 記事ID:20815 )