イスラエルの嘘、ウィキリークスが暴露
2010年11月29日付 al-Quds al-Arabi 紙
■モサド長官がシリアのデリゾールを攻撃しないとアメリカに嘘をついていたことが明らかに
2010年11月29日付『クドゥス・アラビー』紙(イギリス)HP1面
【テルアビブ】
ウィキリークスを通じ漏えいしたアメリカの公文書が暴露したところによれば、モサド長官メイル・ダガン[訳注:記事時点では長官だが同日更迭]は、2007年7月にフランシス・タウンゼント米大統領補佐官(国土安全保障担当)に対し、イスラエルは[核施設の疑いのあった]デリゾールの施設を爆撃しないと伝えながら、その2ヶ月後に爆撃した。
『イディオット・アハロノート』電子版が月曜日に明らかにした公文書によれば、ダガン長官はタウンゼント補佐官に、イスラエルには攻撃の意図はないが、シリアはイスラエルが自国を攻撃すると予測し、その備えのレベルをあげていると述べた。またダガン長官は、このような攻撃を実行する計画はないのだが、ほんの小さな事件であってもシリアの反応が急速な緊張状態を招くことが考えられると主張していた。
ダガン長官とタウンゼント大統領補佐官は、対イラン制裁とイスラエル・シリア間の緊張、およびトルコにおけるイスラーム急進勢力の成長と評される事態について協議した。同会合のなかでダガン長官は、シリア・イラン・ヒズブッラー間の戦略的同盟関係は変わらないであろう、そしてシリアのバッシャール・アサド大統領はその政策が正しく成功していると信じ続けるだろうと指摘した。更にダガン長官は、シリアとイランを切り離すことは可能であり、そのことがヒズブッラー弱体化の鍵となるとの見方があるとして以下を述べた。
「レバノンに国連決議を適用し、ヒズブッラー解体に一層努力することを通してのみ、国際社会はイランとシリアの結び付きを取り除くことが可能になるだろう。これら決議の適用により、ラフィーク・ハリーリー元レバノン首相暗殺裁判が完了することを恐れるアサド大統領に対する圧力が増すであろう。それは何よりも大きな圧力要因となり、シリアを怯ませ、イランから手を引いて、アラブ連盟のようなより“自然な”同盟に目を向けさせることになるだろう。」
ウィキリークスによって暴露された別の米国機密公文書によると、ダガン長官がイランの大学生や少数派を利用したイランの体制転覆をアメリカに迫ったことが明らかになった。また公文書の一つによれば、アメリカは、イランの核開発能力関連全般についてイスラエルが誇張しているとみなしている。
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( 翻訳者:松尾愛 )
( 記事ID:20861 )