クルド系民主社会会議、「民主自治区」に向け「自衛隊」構想
2010年12月06日付 Milliyet 紙
民主市民会議(DTK)は、アブドュッラー・オジャランが提唱する「民主的自治」制度にもとづき、「自衛隊」のために南部および南東部地域において社会、政治、安全保障分野で組織化を進めることを決定した。
アフメト・チュルク共同議長とアイセル・トゥールク共同議長のもと民主市民会議(DTK)において、画期的な決定がなされた。12月11日から12日にかけて、本会議に先立って、アブドゥラー・オジャランが提唱した「民主的自治」制度の枠組みで、「自衛隊」のために南部および南東部地域において社会、政治、安全保障分野で組織化がすすめられ、そして「市民自身が治安部隊を結成すること」が承認された。ディヤルバクルで12月14日から18日にメンバーたちによって行われるDTK議会において、民主的自治制度の実施をめざし包括的な議論が行われ、この案の実現に向け最後の調整が行われる見通し。
また、DTK組織化委員会は、「民主的自治」モデルにおいて最も重要な2本柱の1つである「地区議会」を強化し、議会が設置されていない地域には今後議会を設立する」とする決議を行った。地域全体、郡、村の代表議会の設置は、民主的自治計画の要の条項となっている。
また、平和民主党(BDP)による憲法草案の取り組みの一環としてディヤルバクルで行われる憲法に関するワークショップにおいても、民主的自治に焦点がおかれ、DTKによる取り組みが基盤となるという。DTP組織化委員会が行った発表においても、オジャランが触れた「自衛隊」構想に重点がおかれ、「治安部隊」が設立されることを明らかにした。「市民が文化的、物理的迫害にさらされた状態が続いている現在、政府によって行われている売春、ドラッグ、その他の社会的搾取に対して、クルド市民は自分たちの安全と自由を獲得する必要性について述べられた」という。今後形成される「治安部隊」は、地区および地域委員会という形で組織され、市民の問題について決裁者の役割を担い、寄せられたトラブルを審査し仲裁するという。この委員会はまた、売春やドラッグといった犯罪の取り締まりをも行い、委員会に設置される「市民治安部」の仲介によって抑制する機能を果たすという。
■保健(公衆衛生)体制も確立
DTKがディヤルバクルで行った「公衆衛生会議」において、民主的自治のもう一つの柱である保健体制が整えられることが決まった。
憲法草案では、「クルディスタン地域に保健促進議会を設置する。すなわち、オジャランが、公衆衛生のために必要な要件を確定し、改良するための協力者として、クルディスタン、トルコおよび国際的な保健機関に医療従事者の要請を行うこと、ボランティアチームを組織して当面の間公衆衛生に取り組む」という文言が示された。
(本記事は
Asahi中東マガジンでも紹介されています。)
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( 翻訳者:萩原絵理香 )
( 記事ID:20879 )