オジャラン獄中から新メッセージ「自分のドキュメンタリーを作れ」
2010年12月08日付 Hurriyet 紙

イムラル島で終身刑に服するアブドゥッラー・オジャランが、自身のドキュメンタリー作成を知り合いの映画関係者や新聞記者などに依頼していることが、面会した弁護士らの発表から明らかになった。PKK(クルド労働者党)の停戦が撤回されるかということに関して誤解が生じていると言うオジャランは「停戦期間」は3月までではなく6月に訂正されていることを強調した。

悪天候により先週イムラルへ行かれなかったムハッレム・シャーヒン弁護士、メフメト・バイラクタル弁護士、ジェンギズ・チチェキ弁護士が、今週月曜にオジャランと面会したことについて、PKKに近いとされるインターネットサイトに内容が掲載された。オジャラン氏は弁護士との面会で下記のように話したという。

■「私のドキュメンタリーを作れ」

「私に関するドキュメンタリーが作られるべきだ。事情に詳しい新聞記者や映画関係者は我々の土地(シャンルウルファのハルフェティ郡オメルリ村)へ行って村や周辺で、確かに多くはもう死んでしまったが、まだ生きている者たちから私に関する記憶を聞き出し、カメラで撮ることができる。映画やドキュメンタリーが撮れる。調査して取材をすればいい。これはみな歴史だ。貴重な過去の情報だ。手遅れになってはいけない。我々の歴史がよりよく理解されるためには、このような活動が必要なのだ。これは非常に重要なことだが、明日あさってには手遅れになりかねない。記者や映画製作者たちは隅へ引っ込んで働くよりも、こういった重要な活動に取り組んでいけばいい。この映像や活動は知識人や作家、とりわけ文学者たちにとって大切である。今後の文学でこのような題材はなかなか現れない。」

■停戦宣言

「PKKの停戦について、3月1日について誤解がないようにしたい。私は3月にごく包括的な発表を行うつもりだ。カンディルでも3月に発表を行うと明らかにしている。3月に私が意図しているのはこのことである。3月に我々の重要な発表を行い、停戦プロセスに再び取り掛かることになる。最終的な決定は6月であり、誤解がないようにすべきだ。」

■カンディル(注:現PKK執行部をさす)は単独で後退はできない

「法的な、憲法上の保証が確保されれば、非武装プロセスは前進するだろう。非武装について唯一の権限をもつのは私である。カンディルでさえ単独でPKKメンバーを後退させることはできない。私はカンディルと今後について話し合い、そこでの方針に従って進むことになる。そもそも私が以前発表したロードマップでもこの件に触れていた。」

■PKKメンバーは衝突から距離を置け

「やむをえない場合や生活に必要である場合を除いて、衝突のリスクがある地域には近づかない方がよい。リスクのある環境からは距離を置くべきだ。そうすればハッキャーリの事件のようなことは起こらない。周知のようにハッキャーリでは一人のイマームが殺害された後、9人の(PKKの)ゲリラが殺され、さらにその後9人の村人が殺された。衝突の起こりうる地域にいれば、このような事件が繰り返されることになる。」

■民主的自治

「KCK(クルディスタン社会連合)とPKKの今もっとも重要な任務は、新しい「自治区」が、時代に適した民主的・社会的活動において、それぞれの地域で力を発揮し貢献するよう努めることである。全員がそのプロセスの中の役割・任務を全うすべきだ。最近ではミルオール(タラフ紙のオルハン・ミルオール記者)の名前が取り上げられ、脅迫されたなどと言われているが、KCKは個人を脅迫したりはしない。トルコ報復団(TİT)のような組織の方が個人を標的にしている。このことは留意されるべきだ。過去にも似たような出来事が多くあったが、我々が個人を標的にしたり脅迫することは有り得ない。我々は批判に対して常にオープンであり、そういった批判が必要であることも認識している。」

また、オジャランの弁護士であるオメル・ギュネシ氏、メフメト・サブル氏、マフメト・サーニ・クルクカヤ氏、エルダル・サファル氏は今週の接見のため今朝イムラル島へ向かった。

(本記事はAsahi中東マガジンでも紹介されています。)

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( 翻訳者:湯澤芙美 )
( 記事ID:20898 )