「命を守るために、私は夫に睡眠薬を飲ませました」:ある離婚騒動で
2010年11月29日付 Jam-e Jam 紙
ある女性の夫に対する離婚訴訟の審理が、裁判所で始まった。この女性は、自分の命を守るために夫のお茶に睡眠薬を入れたと主張している。
ファールス通信によると、女性は家庭裁判所マハッラーティー支部を訪れ、離婚請求の訴えを同支部の判事に提出した。女性は同裁判所の第235法廷の判事に対し、「今の状況に疲れました。夫とは別れたい」と述べ、以下のように語った。「夫の側にいるのが怖いです。夫は神経治療のための錠剤を常用していて、仕事から帰ってくる夜はいつも、とても不機嫌になるのです。そのため、私は仕方なく彼のお茶やジュースに睡眠薬を溶かして、ほっと胸をなで下ろしているくらいなのです」。
彼女は続けた。「一つ屋根の下で暮らしてから、およそ一年半になります。夫の職業は経理で、仕事ではしばしばコンピューターを使っています。一緒に暮らしはじめて一ヶ月が経ったころから、夫はとても粗暴で短気になってしまいました。私はこの間、彼にかろうじて耐えてきましたが、もう耐えられません。彼と離婚して、一人で平穏に暮らしたいのです」。
男性の側も家庭裁判所に出廷し、以下のように語った。「仕事のストレスが貯まった時には、多少はイライラし、気を落ち着かせるために、薬を使うこともあります。しかし、もし妻がこれまで私に睡眠薬を飲ませていたというのが事実なら、私は彼女を訴えます。もう彼女を信頼することも、一緒に暮らし続けることもできません」。
彼はさらに、「妻は自分のことだけしか考えていません。自分の心を落ち着かせるために、私に薬を飲ませたような人間です。私は彼女を訴えます。もはや彼女を妻と認めることはできません」と続けた。
同法廷の判事は双方の言い分を聴取した上で、夫婦に対して和解を勧告した。本件はさらなる検討のため専門家に委託され、判決は言い渡されなかった。
(本記事は
Asahi中東マガジンでも紹介されています。)
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( 翻訳者:渡部智士 )
( 記事ID:20903 )