本日12月6日、イランと5+1グループ〔国連安保理常任理事国にドイツを加えた6カ国〕の代表者は1年間の休止状態を経て、ジュネーヴで再び協議の席に着き、イラン核計画について話し合う予定だ。そうしたなか、イランは核分野での最新の成果として、「イエローケーキの自給自足」〔※ウラン鉱石の採掘から精練までの過程を自国内で完結させること〕を達成した。
イランは自国の核の基本的権利について以外なら、いかなることを協議の中心に据えても構わないとの立場を強調しているが、協議の中心に何を据えるかについて、西側諸国の高官らはここ最近、沈黙する立場をとっていることから、彼らもイランのこうした希望に対して異論はないように思われる。
実際、今回の協議が始まる2日前に、アメリカのヒラリー・クリントン国務長官は、イラン領内でのウラン濃縮活動に対して5+1側が同意を与える可能性があることを示唆している。もちろん、同長官はそのための条件として、信頼構築の必要性を提示しているが、この問題は〔西側諸国がイランに対して不審を抱いているというよりはむしろ〕、イランがつねに相手側〔=西側諸国〕に対して、彼らの信頼性のなさを非難している類いの問題であり、イランが西側の援助なしに核技術の獲得を目指しているのも、まさにこのことが理由なのである。
こうしたなか、イラン原子力庁長官は昨日、イランがイエローケーキの大量生産において自給体制を達成したことを発表し、さらに「これまでに35キログラムの濃縮度20%のウランを生産してきた」と述べた。
アリー・アクバル・サーレヒー氏はまた、ブーシェフルで行われた記者会見で、イランと5+1グループとの間で今日と明日の二日間にわたって行われる協議について触れ、「5+1側との協議は、〔イランにとってというよりはむしろ〕イランの相手側にとって、〔問題の〕政治的打開を図る〔ために用意された〕ものだ」と指摘した。
3度目のイラン・5+1協議
イランと国連安保理常任理事国5カ国にドイツを加えた6カ国の代表者らによる協議の新ラウンドが、1年間の休止状態を経て、スイスの首都ジュネーヴで再開される。今回で三度目となる協議は、イラン国家安全保障最高評議会書記のサイード・ジャリーリー氏と、EU外務・安全保障上級代表で5+1グループの核交渉代表を務めるキャサリン・アシュトン氏のあいだで交わされた、数多くのやりとりを経て実現したものだ。
イランのマフムード・アフマディーネジャード大統領はイランと5+1グループの双方の交渉団が協議を行う直前、同グループのメンバー国に対して、イランとの話し合いの機会を適切に活用するよう勧める発言を行った。
同大統領はまた、先週行われた自身の記者会見で、テヘラン宣言について、〔イランと〕5+1側との協力・話し合いにとって格好の土台を提供するものだとし、理性的になってイランとの協議の機会を最大限利用するよう、西洋諸国の首脳らに対して期待を表明した。
イランの核開発活動をめぐってイランと西洋諸国との間で起きている争いは7年にもおよび、双方が何度も議論を戦わせる原因となっている。前回の協議は昨年のメフル月〔2009年10月〕に開かれており、ジャリーリー氏は2度目のジュネーヴ行きで、米仏英独露中6カ国の代表とイランの核開発活動について話し合いを行った。その会議は何の成果もなく終わったが、双方ともこうした協議が実を結ぶ可能性について希望を失ってはいない。
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( 翻訳者:吉田みずき )
( 記事ID:20905 )