国会議員ら、国連に抗議:「国連と安保理にはイラン人科学者の名前を公表した責任がある」
2010年12月07日付 Jam-e Jam 紙

国連ならびに安保理が我が国の核科学者に関する国の機密文書を公にさらし、決議の中でその実名を挙げたことに対して、イランの外交当局は反発を示している。

 イラン政治関係者らは最新の発言のなかで、国際原子力機関(IAEA)に預けられたイランの公文書を同機関の規約に反して公表しているとして、IAEAとその公式の査察官たちへの批判の声を強めている。関係者らは、次回開かれる国連の会議の席上で、実名が公表されたために核科学者らがテロの被害に直面してしまったとして、我が国の抗議の意思を正式に表明することになるだろう、と強調している。

 これに関し、国会の国家安全保障・外交政策委員会のボルージェルディー委員長は、政治的な意図をもって行われたイラン人科学者の実名公表に対して、イランは毅然とした対抗策をとるべきだと強調し、「国連と安保理には、こうした反人道的行為に対する説明責任がある」と述べた。

 同氏はジャーメ・ジャム紙とのインタビューのなかで、こうした国連決議の採択は、我が国のエリートたちの命が失われるという代償を伴ってしまったと指摘した上で、「外交当局はこの問題に対し、毅然と取り組むべきだ」と述べた。

IAEAの本質に疑問符

 テヘラン選出で、国会の国家安全保障・外交政策委員会人権部会の部会長を務めるザフラー・エラーヒヤーン議員もまた、イランの核科学者がテロの標的となったことをめぐる国連への抗議に関し、我が国の外交当局が取るべき行動について言及し、「我が国が機密扱いにしている〔核科学者の〕名前が公表されたことによって、IAEAの本質に疑問符がつくことになった」と語った。

 同議員はまた、「いずれにせよ、我が国の核科学者の名前と身元が、どのような組織を通じて〔テロリストに〕調べ上げられたのか、解明しなければならない」と強調した。

 同議員はジャーメ・ジャム紙とのインタビューの中で、モサドやMI6などの西洋諸国の諜報機関が今回の一件に関わっていることは確実だとの見方を示し、次のように述べた。「我が国の核科学者の名前が国連安保理決議で公表され、その結果、彼らがテロの被害に遭ったことは、国連安保理、ならびにこの問題で自らの諜報機関が関与していた国々にとって、一種の政治的スキャンダルと言えるだろう」。

 同議員はさらに、世界中の人々はこうした出来事〔の本質〕をきちんと理解していると指摘し、「我が国の科学者は様々な分野で成功を収め、敵どもをイライラさせている。こうしたなか、敵どもは科学と思想へのテロを通じて、イラン・イスラーム共和国に対峙しようと決意を固めているのだ」と続けた。

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( 翻訳者:水谷陣也 )
( 記事ID:20908 )