アーヤトッラー・マカーレム＝シーラーズィーは、シーア派の宗教的最高権威であるマルジャエ・タグリード（模倣の権威）が信徒たちを指導する制度「マルジャ制」とは、厳しい時代を乗り切るための塹壕に他ならず、この塹壕は永久に守っていかなければならないと指摘した上で、「マルジャ制を弱体化させ、マルジャと人々との間に分裂を引き起こそうと企む者が一部にいる」と述べた。

　シーア派のマルジャエ・タグリードである同氏は、〔保守派の政治団体である〕イスラーム連合党中央評議会のメンバーらと面会するなかで、以下のように加えた。「われわれ全員が承知しているように、今日の物質主義的世界のただ中にあってイスラーム政府を立ち上げることは、時代の潮流に逆行する動きであり続けてきたし、またこの先もそうであろう。それ故、常に困難に直面することを、われわれは予期しておかねばならない。今日の世界にあって、何の困難にも出くわすことのない日がやってくる、などと考えることは、実に的外れな期待だと言わざるを得ない」。

　同氏は、マルジャと人々とを引き離そうとする敵の宣伝について指摘し、次のように明言した。「今日、真のイスラームというものをその筋の専門家の見地から〔のみ〕捉えるべきではない。しかし、マルジャ制を弱体化させ、マルジャと人々との間に分裂を引き起こし、〔そうすることで真の〕宗教の代わりに迷信を人々の中に植え付けようとする者が一部にいることも事実だ。実際、マルジャエ・タグリードこそ迷信に対峙している存在に他ならないのだ」。

　同氏はその上で、「マルジャ制という制度は、厳しい時代を乗り越えるための塹壕であり、この塹壕は永久に守っていかねばならない。そうすることで、純粋なイスラームを保つ必要があるのである」と指摘した。

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（ 翻訳者:留置彩加 ）
（ 記事ID:20948 )