アサド大統領のフランス訪問終了、フランスとの関係強化図る
2010年12月11日付 al-Hayat 紙
■アサド大統領「イスラエルのために和平が実現されないことで地域にさらなる緊張がもたらされる危険がある」
2010年12月11日付『アル=ハヤート』紙
【パリ:イブラヒーム・ハミーディー】
シリアのバッシャール・アル=アサド大統領は、和平イニシアティブに敵対するイスラエルの政策および行動は「本来の持ち主にその権利を返還するようないかなる和平もイスラエルが望んでいないことの裏付けである」と述べ、さらに「イスラエルのために和平が実現されないことで地域にさらなる緊張と不安定がもたらされる危険がある」と指摘した。また大統領声明によれば、アサド大統領は「和平が実現されないために中東地域に差し迫った危険を回避するため、現在シリアとフランスの間で行われている調整」について、フランスのジャン・クロード・クスラン和平プロセス全権委任大使と議論を交わした。
アサド大統領はアスマー夫人も同伴したパリ訪問の間、フランス国民議会のベルナール・アコイエ議長、クスラン大使らと個別に面会した。ニコラ・サルコジ大統領との首脳会談は一昨日行っており、3日間続いた訪問は今日閉幕する。
フランス国民議会を訪問したアサド大統領は、議員数名とシリアのブサイナ・シャアバーン政治情報担当大統領顧問らが同席する中でアコイエ議長と面会した。昨日発表の大統領声明が伝えたところによると、会談では漸進的に発展しているシリア・フランス関係、そして友好国として共通の利益を実現している政治関係と同等のレベルにまで経済、文化における協力を促進することの重要性が話し合われた。大統領は石油、ガス、電気、鉄道分野における戦略的プロジェクトを通じた地域協力の枠組みの中で新たな経済空間を創出するためのシリアのビジョンと努力についても説明し、フランスがこの地域協力の一翼を担っていることの重要性を強調した。
また中東情勢や停滞した和平プロセスについても再検討がなされ、アサド大統領は「イスラエルのために和平が実現されなければ地域にさらなる緊張と不安定がもたらされる危険がある」と明言し、「入植が続いている現状からイスラエルが和平の実現に真剣ではないことは確実だ」と述べた。さらに声明によればアサド大統領は「中東和平の解決に向けたフランスの尽力に対し歓迎の意を表明し」、「フランスがその重要な一部を占めているヨーロッパの役割が国際舞台で欠如することは、地域の、また世界の利益にならない」とはっきりと述べた。
声明によればアコイエ議長は、シリア・フランス関係が「両国と中東の未来にとって非常に重要なものになった」ことを確認し、できるだけ早期に予定されている議長のシリア訪問は「フランスがあらゆる分野におけるシリアとの協力強化を望んでいることの確認になる」と明かした。
(後略)
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( 翻訳者:片山満祐子 )
( 記事ID:20954 )