アヤソフィアの謎、また一つ解決―世界最大の洗礼水槽、公開へ
2010年12月13日付 Milliyet 紙


アヤソフィアの秘密がまた一つ明らかにされた。今までに見たこともないような、世界最大の「洗礼水槽」が公開されている。

アヤソフィア博物館館長ハルク・ドゥルスン氏と、イスタンブル2010欧州文化首都実行委員会(AKBA)のユルマズ・クルト事務局長は、アヤソフィア博物館で行われた合同記者会見で博物館の修復工事について述べた。
 
イスタンブル2010欧州文化首都実行委員会(AKBA)のユルマズ・クルト事務局長は、アヤソフィア博物館の重要性を説明し、「イスタンブル2010欧州文化首都実行委員会として、世界的な文化遺産の修復を主導することは喜ばしいことである」と述べた。

■洗礼水槽、マスコミ関係者に公開

アヤソフィア博物館館長ハルク・ドゥルスン氏は、館内で行われている修復工事について一つ一つ説明しながら、「この修復工事では、注目すべき進歩が二つあります。一つはドームに17年間設置されていた足場が撤去されたこと。二つめは撤去された足場に代わり、天使の顔が公開され、訪れる者を出迎えていることです。さらに2010年にも、一大サプライズを行っています。これはまずはマスコミ関係者の方々に、そして訪問した方々に公開される予定です。今日まで未公開でしたが存在は知られていたもう一つの展示品で、皆さんも気に入って頂けると思います。これは洗礼場の中庭にあり、現時点で最大の“洗礼水槽”です」と述べた。ハルク・ドゥルスン氏はその後も、ユルマズ・クルト氏とともに、館内で修復が行われた場所をマスコミ関係者に案内しながら説明した。ハルク・ドゥルスン氏は、アヤソフィア博物館内の、教会として建てられた核となる建物と、洗礼場として建てられた隣の部分との間にある中庭を修復したあと、ここにある“洗礼水槽”を初めてメディアに公開した。

■「洗礼水槽は洗礼場の中央にあった」

洗礼水槽の歴史について説明したハルク・ドゥルスン氏は「水槽はかつて洗礼場の中心にありました。しかし洗礼場を墓廟に改築する際、水槽を洗礼場の主ドームの下からどける必要がありました。当時の人々は水槽を壊さずに取りだし、中庭に置いたのです。洗礼水槽は主ドームの中央にあったようですが、水槽はその時この中庭に動かされました。2010年の修復工事に伴い、洗礼水槽もきれいに掃除されました」と話した。

■「洗礼水槽」

アヤソフィアが建てられたビザンツ時代(A.D.6世紀)、また一説によればそれ以前から残っていると言われる洗礼場は、1453年以降、モスクに改修されたアヤソフィアの、屋内照明用ランプの灯油貯蔵庫になった。1639年、洗礼場にあった大きな「洗礼水槽」は、洗礼場の中庭に出され、洗礼場だったところはムスタファ一世の墓廟に改築された。アヤソフィアが1935年に博物館として改められたのち、1943年に中庭の調査が行われ、一枚岩の大理石でできた洗礼水槽が発掘された。

洗礼水槽は外枠が縦3.32メートル、横2.52メートル、深さ1.51メートルで、中枠は縦3.26メートル、横1.16メートル、深さ1.16メートル。東ローマ、つまり初期キリスト教芸術の特徴を帯びたこの大きな水槽は、発見された洗礼場の中庭で、オスマン朝時代に属するビザンツ芸術の円柱と大理石とともに展示されている。

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( 翻訳者:木村納菜 )
( 記事ID:20959 )