カタールでのW杯開催にドイツ国内の反応分かれる
2010年12月06日付 Al-Ahram 紙

■2022年W杯のカタール開催、ドイツでは選手が憤慨し経済界は喜ぶ

2010年12月06日付『アル=アハラーム』紙(エジプト)HPスポーツ面1面

【ベルリン:マージン・ハッサーン】

 カタールが2022年のサッカーW杯の開催権を獲得したことは、ドイツ社会を真っ二つに引き裂いた。ドイツのスポーツ界が憤慨する一方で、同国の企業や経済界は諸手を挙げて受け入れたのである。チューリッヒでの投票結果の発表以降、ドイツメディアは様々な番組でカタール選出を次のように揶揄している。「小国で、サッカー界では無名の国だ。それよりも重要なことは、カタールの気温は耐えられたものではない。」

 ドイツのサッカー専門家として最も有名なギュンター・ネッツァー氏と元ドイツ代表選手のマリオ・バスラー氏は、〔カタールでの開催に対する〕批判の急先鋒に立った。しかしながら、ドイツ工業連合はカタールの勝利を歓迎し、ドイツ自身も数十億ドルと見積もられるカタールでの大規模な投資契約を勝ち取りたいと願っているように思われる。特にスタジアムの建設や改装の分野では、ドイツ経済の専門家が強調するように、同国は中国やアジア諸国よりも総じて優れている。とりわけ、カタール政府はインフラ開発に400億ドル以上の予算を割り当てると発表しており、カタールとドイツの経済関係は近年飛躍的に発展している状況でもある。その一例として、ドイツの鉄道会社(ドイツ鉄道)は、170億ユーロに及ぶカタール国内での鉄道網敷設の契約を受注した。

 だが、このようなドイツ国内の分裂は、“皇帝”フランツ・ベッケンバウアー氏には影響を及ぼさなかったようだ。同氏はFIFA実行委員会のメンバーであり、実業界と強いつながりを保っている他、ドイツサッカー界のシンボルの一人でもある。同氏はドイツで最も人気のある新聞の紙上で、カタールでのW杯を気候が穏やかな1月か2月に行うことを提案した。同氏の提案は、エアコン付きスタジアムを建設するとの宣伝にも関わらず「夏には50度に達する気温がカタールでのW杯開催にとって最大の障害となる」と考える選手たちの怒りを鎮めるものとなるかもしれない。

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( 翻訳者:松尾愛 )
( 記事ID:21005 )