CHP臨時党大会の印象、ケマリズムヘの回帰
2010年12月19日付 Yeni Safak 紙
5月22日から23日にかけて行われた第33回定例党大会で発表された党議会メンバーのリスト(PMリスト)を受けて、以前に以下のことを書いた。「このPMリストは、多くのことを含んでいる。新たな臨時党大会開催という動きがみられたとしても驚くべきではない」。6ヶ月後に、その日が来た。そして、共和人民党(CHP)の第15回臨時党大会が開かれた。では、この臨時党大会から、政権獲得への歩みが始まったのか?この問いには2つのことから答えが引き出せよう。第一は、クルチダルオール党首の演説、そして第二は新しいPMリストだ。しかし、今後の展開を窺わせる幾つかの兆候もあった。会場で、こうした点を詳細に観察し、得た印象は以下の通りである。
それは、「新しいCHPはない」「再度ケマリズムへの回帰」という印象だった。こうした兆候を、以下のように列挙することができる。
会場には、アタテュルクとクルチダルオール党首以外誰ひとりとして元党首の写真がなかった。「国民指導者」の(称号を得た)イスメト・イノニュの写真さえも。会場の垂れ幕には以下のことが書いてある。「1968年の精神で、民意を反映した政権の樹立を目指す。」垂れ幕には、(トルコ人民解放軍の設立者で1972年に処刑された)デニズ・ゲズミシュ氏とクルチダルオール党首の写真がある。
党大会で叫ばれたスローガンと演奏された音楽は興味深い。「公正発展党は国民に国民につけを回す」とのスローガンが叫ばれる一方で、少し後に(1997年)2月28日過程推進者たちのテーマソングだった「共和国10周年行進曲」が演奏される。エディップ・アクバイラム氏は、(アタテュルクのことを歌った)「金髪、青い目の人」という歌を歌った。
例えば、最も拍手を受けたのは、(元最高裁検事長)サビフ・カナドゥオール氏と(元行政審査院長補、アタテュルク主義者思想協会会長)タンセル・チョラシャン女史だ。党大会に参加した若者たちの、「ファシズムに共に反対」、「抑圧は我々を怯ますことはできない」、「革命の殉教者は不滅だ」といったスローガンについては、CHPの会議というよりもトルコ共産党(TKP)と労働者党(İP)の党大会を思い起こさせる。
クルチダルオール党首は、約1時間30分話した。では、この中で何を述べたのか?本当に失望に満ちた講演だった。一度も「クルド」という言葉が発せられず、一度も「アレヴィー」の語もその口からでなかった。一度もスカーフ(問題)に触れなかった。(クルド語使用に関する)2言語議論がトルコを取り巻いている時に、これに触れない講演から「新しいCHP」が現れるのか?残念ながら、否。悲しいことだが現れまい。
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( 翻訳者:能勢美紀 )
( 記事ID:21008 )