DTK民主自治制シンポ、自治提案発表―自治クルディスタンに独自の旗を
2010年12月20日付 Radikal 紙
DTK(民主社会会議)が開催した民主的自治制シンポジウムで、クルド問題の解決のために最も重要な将来設計、およびその目的は、民主的自治クルディスタンの確立であると明言された。
ディヤルバクルでDTK(民主社会会議)が開催した民主的自治制シンポジウムにおいて、クルド問題解決のために最も重要な計画として「民主的自治制モデル案」が提案された。この提案では、目標は「『民主的自治クルディスタン』の確立」と記されている。
提案では、「民主的な自治クルディスタン市民会議は、同じく民主的なトルコ共和国議会に代表者を送り共同行政に参加する。民主的な自治クルディスタンは、自らを象徴する独自の旗とシンボルを有する」と記述された。また8つの分野で組織化を進め、自治制を確立するとされている。
民主社会会議の「民主的自治」モデル案はディジュレ通信社によって発表された。民主社会会議の自治制構想の主要な内容は次の通り。
■トルコとクルディスタンは、ひとつの祖国
「民主的自治」における行政は、下からいうと、村の共同体(köy komünleri)、町(kasaba)議会、郡(ilçe)議会、都市(kent)議会といった形で、民主的連合の原則にもとづいた組織化をおこない、その上部では、「市民会議 toplum kongresi」が代表制を確保する。民主的自治クルディスタン市民会議は、民主的なトルコ共和国議会に代表者を送り、共通の祖国を治める政治に加わる。民主的自治クルディスタンは自らを象徴する独自の旗とシンボルを有する。
また、民主的自治のもとでは、異なるアイデンティティを持つ人々は、それぞれ自分たちのシンボルを使う。こうした意味で、民主的自治はクルドの人々が民主的なトルコの中で生きて行く意志の表れである。つまりクルド民衆の政治的地位を表す。村(の組織)にはじまり、最下部組織である共同体(komünler)や都市の議会は、民主的自治システムの中に位置づけられる民主的組織である。女性や若者をはじめとして、あらゆる立場の人々が下部議会を形成し政治に参加することは、民主的システムが民主的に機能をすることを意味し、倫理的な政治の実践は、社会の要請である。
我々はトルコ(Türkiye)とクルディスタンを共同の祖国と見なす。民主的自治を定める法は、新たなトルコ共和国憲法および欧州連合法によって承認され、相互に参照されることで、その整合性と合法性が保証されなくてはならない。」
■自衛軍は、抵抗のシンボル
議論の的になっている当該プロジェクトの「自衛軍」構想に関しては、次のように記されている。
「自衛軍構想は、倫理面を保障するための政策であり、また、政治社会の安全保障政策である。自衛軍構想は社会のなかで、単なる軍事的防衛を目的とするものではない。アイデンティティの擁護は、その政治化を保証し民主化を実現する組織と切り離せないからである。自衛軍の実現は、組織的な社会ではじめて可能となる。組織的な社会は、自衛を最も巧みに実現する社会である。あらゆる社会において、自衛組織は、その存在を保障する上で欠かせないものである。クルド人は最初の占領・侵略軍の攻撃から今日に至るまで、あらゆる占領と攻撃に対し自らの存在を守るため自衛をおこなってきた。民主的自治のステータスが認められたならば、自衛軍は、独占的な軍としてではなく、社会内外の必要に応じ、民主的機関の監督のもとで組織される。市、町、街区、村で生活するすべての市民は、ファシストや反動主義者、大量虐殺者の攻撃に対し、意識的かつ鋭敏になる。自衛の原理に基づき、このような動きに対し一致団結して抵抗する。自衛は国際協定や国連によっても認められた権利である。
公的な場におけるクルド語の使用を妨げている問題を排除し、クルド語は、幼稚園から大学に至るまでの教育言語として保証されるべきである。民主自治クルディスタンにおいては、公用語はクルド語とトルコ語となる。それに加えて、我々の土地で話されているすべての言語(東シリア語Asuri、西シリア語Süryani、アラビア語、アルメニア語など)やその方言も、その使用、教育、発展が憲法やその他の法律によって保証されるべきである。自治体による住民サービスの言語はクルド語となる。地名も元来の名称をもどされる。」
(本記事は
Asahi中東マガジンでも紹介されています。)
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( 翻訳者:篁日向子 )
( 記事ID:21013 )