イスタンブルの建築、考古学、民俗文化、文化経済学に関連する全ての情報がインターネット上に集められた。本日公開予定の15万ウェブページにも及ぶ文化目録には6万枚の画像と7万件の索引がつけられ、イスタンブルにある全ての文化財が初めて集められている。目録は「イスタンブルには何があるのか?」という質問に答えてくれている。
ソロモンが人々や、ジン(精霊)、鳥や風を支配していたころ、ある一人の王が彼に反乱を企てた。ソロモンはその者の国に到着し、彼を奴隷にして、彼の娘と結婚し、ルメリの地に連れてきた。彼女は「ああ、神よ」と言い、次のように続けた、「どうか私のためにここに宮殿を建てさせてください。私はそこで日々祈りを捧げながら余生を過ごします」。ソロモンは場所を探し求めてイスタンブルの地にやってきた。水や気候の素晴らしさに心打たれた。大きな宮殿をつくらせ次のように祈った。「イスタンブルはこの世の終わりまで、よく保たれ繁栄し続けるように」・・・・。
以上の、エヴリヤ・チェレビーによるイスタンブル誕生の物語はどこまで本当かわからないが、イスタンブルは世界で最も古い都市の一つであることには間違いない。さて、我々はこの都市の素晴らしさについてどの程度知っているだろか。どこに何があるのか、イスタンブルの民間伝承、伝説、昔話がどのようなものであるかを。この全ての質問の答えにたやすく辿り着くことができる。イスタンブル2010年欧州文化首都(実行委員会)の支援と、文化観光省およびトルコ科学アカデミー(TÜBA)の協賛で作成された「イスタンブル文化目録」はイスタンブル市全ての文化財の情報をインターネット上に集めている。
本日公開されるwww.istanbulkulturenvanteri.gor.trのサイトが、昨晩チュラーン・ケンピンスキホテルで行われた会合で紹介された。サイトは考古学、都市建築、民俗文化、文化経済学といったジャンル別に、イスタンブルの急速に失われつつある危機遺産をも記録している。151万2千リラ(約8300万円)かけて作成されたサイトは、15万ページ、6万枚の写真と7万件の索引がある。サイトにはイスタンブルの39区に存在する2万7千690の建造物もあらゆる特徴とともに登録された。
文化目録は1776年から2010年までイスタンブルがたどってきた軌跡を地図と共に示してくれている。サイトでは詳細検索、地域別、テーマ別検索が可能となっている。イスタンブルの地名がわからなくとも、どこにあるのか興味を持った隊商宿、モスク、教会、城壁、泉、オベリスクまで全ての歴史的スポットに行きつくことができる。このサイトでは、現代のアートギャラリー、オペラ、バレエ、コンサートなどのホール、映画館やイベントなどの情報、さらには文化センターなどの情報も載せられている。この目録はビルギ大学により17冊からなる本の形でも出版された。
このプログラムを主導した、イスタンブル県文化観光局局長であるアフメト・エムレ・ビルギリ教授は、この目録によって、だれでもイスタンブルに関するすべての情報にたどりつけることができると述べた。ビルギリ教授は8年前県の文化局局長に就任した際に、このプロジェクトを提案した。ビルギリ教授は「しっかりとしたチームワークとかなりの出費が必要であった。2010年欧州文化首都になったことによって現在これを実現する機会を得た」と述べている。また、文化および観光に関する全てのプロジェクトのために、基盤になる目録はインターネット環境で公開すること、また持続可能で更新可能な特徴を有していることを強調した。
トルコ科学アカデミー会長のユジェル・カンポラト教授は今回の試みを、「文化首都として認定されたイスタンブルには何があるのか?」という問いの答えであると考えている。カンポラト教授は、目録はトルコにおいて初であり、世界においても自慢できるものであると述べ、「昨年までこのような目録はなかったが、今はある。時代とともに進歩しているので、修正したり訂正したりすることも可能である」と述べた。
この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る
原文をMHTファイルで見る
( 翻訳者:小幡あい )
( 記事ID:21029 )