「トルコ国歌をつくったのはアルバニア人」エルドアン首相の二言語・自治批判
2010年12月28日付 Milliyet 紙

エルドアン首相は、トルコ大国民議会(TBMM)での公正発展党(AKP)会派の会合で演説を行い、自治と二言語の議論に対して非常に厳しい口調で非難した。平和民主党(BDP)に対して、12月27日が命日であるメフメト・アーキフ・エルソイの発言を引き合いに出した。またトルコ国歌を作曲したのはアルバニア人であるとも述べた。

レジェプ・タイイプ・エルドアン首相は、自治と二言語の議論に対して再び強い反発を示し、「80年前にこの国民を分離し、亀裂を生じさせたがるものがいたのと同様に、今日もそのようなものがいる。この国民の中に亀裂を生じさせたがるものは、7300万人の敵である。最近の作為的な議論は、テロ組織やその予備軍の醜い陰謀である。私は特に、メディア、オピニオン・リーダーや各政党が、この醜いパフォーマンスを打破してくれるよう呼びかけている。(国民の分裂を図ろうとする者たちの)ターゲットは公正発展党政権であるため、国民を消し去るために、テロ組織とそしてあの皆が知っている暴力集団と力を合わせて共に行動しているのだ。かつても同じことをした」と述べた。

エルドアン首相は、TBMMで公正発展党会派の会合で演説を行い、自治と二言語の議論に対して非常に厳しい口調で非難した。自治と二言語の議論を巻き起こした平和民主党に対して、12月27日が命日であるメフメト・アーキフ・エルソイの発言を引き合いに出した。
エルドアン首相は、歴史上の出来事を強調して、自治と二言語の議論に答えた。エルドアン首相は、「敵どもが持ち出したその問題、今同じ問題を我々は抱えているのだろうか?そう抱えているのだ」と述べた。

エルドアン首相は、メフメト・アーキフ・エルソイがナスルッラー・モスクの説教壇で行った呼びかけに言及し、その発言がまさしく今を説明していると述べた。エルドアン首相は、アーキフが人種主義や民族主義を蹴散らしたとし、次のように述べた。

■トルコ国歌は一人のアルバニア人がつくった

「我々の独立行進曲はトルコ人がつくったというのか、クルド人がつくったのか、いや、一人のアルバニア人がつくったのだ。では、このことに対し、「(アーキフに)君はアルバニア人だろう?」と我々は言えるだろうか。それは国民の共通の「声」であった。この議会で自分たちのものであるとして大合唱された。これは賞賛に値するものである。故アーキフも言ったように、この領土の上では民族的出自が何であれ、我々の紐帯は、我々の歴史であり、文化であり、国家であり、国民であり、国旗であり、祖国である。我々共通の言語で、公用語であるのはトルコ語である。確かに、誰もが自分の母語を気兼ねなくこの国で話すだろう、これを誰も制限することはできない。しかし、公用語とこれを混同してはいけない、我々は間違ったことをすべきではない。」

エルドアン首相は、この国の社会的安定を、一体性を傷つけることはできないと述べ、「もしこのようなことがなされればあれば、これは不法行為であり、この紐帯に疑問を抱くことは弱体化を意味する」と述べた。エルドアン首相は、メフメト・アーキフの80年前の発言や詩をたびたび強調し、トルコの団結や協調を、彼の言葉によって説明している。

■テロとのつながり

エルドアン首相は、名前を伏せながらも自治と二言語の議論を始めた平和民主党のことを、テロ組織メンバーのシナリオを提示したとして非難し、次のように述べた。

「アーキフが80年前にのべたように、国民のためにではなく、国民の同胞愛をないがしろにしない者たちのために貢献するということである。80年前分裂を生じさせたがるものがいたように、今日もこれを実現しようと思うものがいる。その日がそうであったように、今日分裂を生じさせたがるものも、7300万人の敵である。80年前彼らはうまくいかなかった。あの当時、この国の東西南北が一つになった。人々は祖国解放戦争の詩を書いた。今日も我々一人一人は皆とともにあり、いつも以上に力強く、わが同胞愛は高まり、わが団結は強固なものとなっている。最近の作為的な議論は、テロ組織やその予備軍の醜い陰謀である。我が国民はこの陰謀には加担しない。このパフォーマンスを打破する。」

■「シナリオは非常に明快」

エルドアン首相は、このパフォーマンスに加担しないように訴えながら、次のように呼びかけた。

「特にメディアや市民団体やオピニオン・リーダーたちに対して、この醜いパフォーマンスを打破し、国民の側に立ってくれるようと言いたい。シナリオは非常に明快で、テロ組織は今まであらゆる選挙の前に行ってきたように、選挙プロセスに影響を与え、国内政治に一定の形を与えたがっているのだ。彼らのターゲットは公正発展党政権であるため、国民をそして国家を消し去るために、この醜いシナリオでテロ組織とそしてあの皆が知っている暴力集団と力を合わせて共に行動しているのだ。それを過去にも行っており、私はこのパフォーマンスを、陰謀を、わが国民は打破するだろうと信じている。わが国民は何度も打破してきたし、これからも打破する。」

エルドアン首相は、テロとの積極的な闘争を行っていると述べ、「今後も、我が国民の団結やゆるぎない同胞愛を強化し、民主的解決プロセスを決然と続け、今後も民主主義に関しては決して譲歩しない」と語った。

(本記事はAsahi中東マガジンでも紹介されています。)

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( 翻訳者:三上真人 )
( 記事ID:21073 )