チュブク国民教育相、「小学校でスカーフ」問題に珍回答
2011年01月03日付 Milliyet 紙
チュブクチュ国民教育相
共和人民党のクルクラーレ県選出トゥルグト・ディベク国会議員による、「首相は、小学校でのスカーフ着用を望んでいるのか?」という問いに答えたニーメト・チュブクチュ国民教育大臣は、「現在のトルコの教育組織には『小学校』という名の学校は存在しない(訳者注)」と述べた。同大臣は、通常規定内で学校における服装が規定されていることは周知の事実であるとし、「これに加えて特段の説明を行う必要があるような問題は存在しないと認識されている」と述べた。
■「首相は、小学校でのスカーフ着用を望んでいるのか?」
アブドゥッラー・ギュル大統領の妻ハイリュンニサー・ギュル夫人が、「小学生が自分の意思でスカーフを着用するようなことはありえない」というコメントしたのを受け、それに言及した共和人民党トゥルグト・ディベク議員は、レジェプ・タイイプ・エルドアン首相にあてた質問書で次の質問をした
「トルコの首相は、世俗主義に明白に違反しているこの問題に関し、『小学校にスカーフをしてきてはいけない』という説明をなぜ行われないのか?首相は小学校でのスカーフ着用を望んでいるのか?」
■(トルコの)教育組織には「小学校」という名の学校は存在しない
共和人民党ディベト議員の質問に返答したニメト・チュブクチュ教育大臣は次のように述べた
「現時点では、(トルコの)教育組織のなかに『小学校』という名の学校は存在しない。また、通常規定により学校における服装が規定されていることは周知の事実であり、これに加えて特段の説明を行う必要があるような問題は存在しないと認識されている。」
■ギュル大統領夫人への侮辱だ
同大臣の回答に関しANKA通信社にコメントしたディベク議員は次のように述べた
「ハイリュンニサー大統領夫人の表現に比べ、首相が行った説明は明らかに憲法に違反していた。本質問はギュル首相大統領夫人の説明を参照し、それに関して行われた。しかし、「トルコの首相は、世俗主義に明白に違反しているこの問題に関し、『小学校にスカーフをしてきてはいいけない』という説明をなぜ行われないのか?」という質問に、「トルコの教育組織に小学校という名の学校は存在しない」と答えたことは、まずもってギュル大統領夫人への侮辱である。この質問は首相に向けたものだったが、その回答はニーメト・チュブクチュ国民教育大臣からなされた。この問題は明らかに首相に係るものだ。ここからも、政府の軽薄さがよく分かる。」
(注)現在のトルコの教育制度では、旧来の小学校(5年)と中学校(3年)が一貫制義務教育の「初等教育学校」として扱われている。このため、名前のうえでは、小学校は存在しない。
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( 翻訳者:尾形知恵 )
( 記事ID:21109 )