ラジオ・テレビ高等機構、「華麗なる世紀」に警告措置
2011年01月12日付 Milliyet 紙
ラジオ・テレビ高等機構(RTÜK)は本日「華麗なる世紀」について議論した。ラジオ・テレビ高等機構は、このドラマについて、第3984条4項 e号の「放送作品は、民意やモラル、トルコの家族のあり方に反してはいけない」という規定に反しているとして警告措置をとった。
ラジオ・テレビ高等機構は次のような発表をおこなった。
「ラジオ・テレビ高等機構は本日2011年1月12日の週会議において、SHOW・TVで先週放送開始されて反響を呼んだTVドラマ「華麗なる世紀」に関して作成された評価レポートを議題とし、審査した。審査の結果、そのドラマは、第3984条4項「放送作品は、民意やモラルを反してはいけない」という規定の第e号「歴史的人物のプライバシーに配慮をせず、それを侵害する」という部分に該当することから、関係放送局に対し第3984条33条に基づき警告措置を下すこととなった。」
■第一ラウンドはドラマ批判派の勝利!
これは次のことを意味する。
まず、この警告を受けたドラマ作製側が責任を果さない場合、放送時間帯内で正式に謝罪することが要請される。違反を再度繰り返す場合、1~12回の間で放送中止する措置を受ける。この措置が、ドラマに対して寄せられた「批判」に基づき行われたことは明白であり、また、このドラマが続く限り批判は止まらないことも目に見えている。このため、ラジオ・ドラマ高等機構は今後も、処罰を続けることになる。
今、目にしているのは次のことだ。すなわちドラマを終わらせようと決めた者達は、これが本当に終おわるまで口を閉ざすことはないだろう。ラジオ・テレビ高等機構は2回目の「批判の殺到」に対して33条を執行に移すのか?それも今後明らかになっていく。つまり第一ラウンドは「ドラマ批判派」の勝利といえる。
■ラジオ・テレビ高等機構のアルプ会員「当機構は処罰傾向を強めている」
ラジオ・テレビ高等機構理事会のヒュルヤ・アルプ委員は、今回の決定を批判し、ドラマ「華麗なる世紀」に関するコメント発表し、「調整機能をもつ組織は、今日の世界では、(業界の)成長を助けるための組織に名前をかえ、あるいは、そうした役目を果たしている。当該分野を発展させるための調整をおこなうのが、私たちの仕事である。(それにもかかわらず)あるドラマに対し批判が寄せられたからといってその面からだけ評価し、それを補強しようとするようでは、ラジオ・テレビ高等機構が、監督・処罰の組織であるとの認識を強めることになる」と述べた。
アルプ委員はこの件に関して行った書面での発表で、ラジオ・テレビ高騰機構がドラマ「華麗なる世紀」についておこなった決定に論評した。同氏は次のように述べた。
「ドラマの初回は、なによりもまず、徐々に質を上げいるトルコドラマが到達した最終地点、すなわち高い作品の質を示していた。制作が難しく製作費用もかさむこの時代劇は、シナリオ、演出、編集、セット、衣装、メイクや演技の点から、中東や中央ヨーロッパだけではなく、世界に作品を提供している有名なBBCで放送することができるほどの完成度を示していた。
もちろん、この作品は、ドキュメンタリーまたは半ドキュメンタリーでなくドラマである。ドラマの1シーンは、「目で見る歴史の授業」と受け取られる可能性も必要性もない。過去の時代、歴史上の人物をテーマとすることはできるが、それらをあらゆる点から取り上げて調査・吟味する必要はなく、一つ、ないしは複数の側面を描いて視聴者に提供すればいいのである。この点で、不当に改変しないということを担保すれば、歴史的事実の細部と一致させるというようなことは、制作者の使命ではない。なぜなら再現するシーンを詳細に吟味できる程、歴史のデータを持っていないのが現実だ。シナリオや再現企画チームの創造力がまさに作品制作の要なのだ。つまり、私たちは、まさに時代小説同様に、時代劇について我々なりの解釈やプライバシーを語ればいいのである。」
ヒュルヤ・アルプ委員は、立法者スルタン・スレイマンがどう描かれていたかについても触れ、「ドラマの初回では、我々の偉人・立法帝スルタン・スレイマンは次のように描かれていた。彼は、不法行為や少数派に対する差別・不正を認めず、処罰の執行の際に痛い程気持ちの負担を感じ、また貴金属細工で心を癒す芸術家であり、当時の頑迷な慣習に反して能力ある改宗者を起用するほど民主的であり、後宮(ハレム)の現実の中にあって「好色」ではなく愛を求めた人物である(と描かれていた)」と述べた。
(本記事は
Asahi中東マガジンでも紹介されています。)
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( 翻訳者:小幡あい )
( 記事ID:21164 )