「トルコはサルカムシュの戦いの犠牲者を誇りに思う」エルドアン首相
2011年01月08日付 Milliyet 紙
レジェプ・タイプ・エルドアン首相はサルカムシュ作戦の第96回追悼式典に参加するために飛行機でカルスを訪れ、そこからバスでサルカムシュに移動した。首相はカルス・ギュルアフメト・アイテミズ美術スポーツ高校の23人の学生が教師と一緒につくった犠牲者を模した雪像の除幕式を行った。
トプラクホテル前に運ばれたトラック7台分の雪を使って25㎡の敷地につくられた、2人のトルコ兵犠牲者と牛車の車輪を象った像の上にエルドアン首相が国旗を掲げ、エミネ夫人と共に赤バラを献花した。首相はその後犠牲者のために手を広げて祈りをささげた。
首相は、サルカムシュの犠牲者追悼式典の一環としてイスタンブルを12月25日に出発し1856㎞の道のりを進んできた14人のナショナルチームの競輪選手にねぎらいの言葉をかけ、トプラクホテルで「トルコは犠牲者に向かっている」という題のシンポジウムに参加した。首相がホテルに入る際には大混乱が起こった。エルドアン首相を見ようとする市民のうちでは将棋倒しの危険もあった。
会議の途中、「どうかセリム‐サルカムシュ間に国道を作ってください!」「首相!」と叫んだ2人の市民が警備員によって退出させられた。
エルドアン首相はサルカムシュ作戦の96周年において犠牲者に語りかけることができて非常に興奮していると述べ、「トルコはサルカムシュの犠牲者に向かっている」という(シンポジウムでの)表現のかわりに「トルコはサルカムシュの犠牲者を誇りに思っている」と言おうと提案した。エルドアン首相は、「彼らのいる場所が天国でありますように」と犠牲者に語りかけ、メフメト・アキフ・エルソイの次の章句でもって追悼した。
大地に横たわる、血の中で
旅人達よ、この大地のために命を投げ出したものたちよ、
神の聖なる僕(しもべ)たちは石の墓には入らない
神の恵みに包まれ、コーランの詠唱をこそ待っている
■犠牲を無にしない
エルドアン首相は、サルカムシュとカフカス戦線の犠牲者達の名前と出身地のリストを引用し、この国のすべての地域からの子どもたちがここに眠っていると述べたた。そして、サルカムシュの犠牲者は兄弟愛のゆるぎない記念碑であるとし、次のようにつづけた。
「親愛なる犠牲者達よ、我々はあなた方の子孫として皆様の御前にいます。魂と血でもって描いた英雄の記念碑を、祖国のためにあなた方のように責任を持ち、高め、大きくしていきます。親愛なるあなた方の魂を、犠牲者の体を、傷つけることはいたしません。最大の遺言である兄弟愛を失くしません。あなた方のように兄弟愛を守り抜きます。あなた方はサルカムシュ作戦においてアッラーフエクベル山脈で私たちの兄弟と肩を寄せ合い、ともに犠牲となりました。我々はあなた方から得たインスピレーションに従い、あなた方のように、兄弟愛、協調、権利と法を求め続けます。」
サルカムシュの後カルスに移動したエルドアン首相は、共和国広場で行われた集合開会式典に参加し、演説をした。
首相は憲法改正に関する国民投票の結果に対してカルスの住民に感謝する演説を行い、団結と協調を強調した。首相は国民に対してサルカムシュの犠牲者と、特にカフカス戦線での犠牲者のリストをよく見るように訴え、カルスやサルカムシュへの物資運搬で120人のヴァンの子供たちのうち、98人が寒さと病気で犠牲となったことに言及し、要約すると次のように述べた。
■兄弟愛は不滅
「第一次世界大戦時、サルカムシュへ物資を運ぶ船がリゼ港に到着した際、大袋を運ぶ人員が見つからなかったために、子供や女性がこれらを担ぎました。そのとき私の亡くなった祖父も含めリゼ全土の人々が、前線へ、ここへ、来たのです。私たちの兄弟愛は一時的なものではありません。歴史は我々を兄弟にしました。わたしは我々の間に争いの種をまこうとする人々をも、カルスへ、サルカムシュへ招待します。」
エルドアン首相はカルス工業団地において、私企業の投資(の募集)を始めると述べた。
エルドアン首相は、サルカムシュとカフカスでの犠牲者から頼聖なる預かり物(たるこの国)を引き継いだこと、彼らから受け継いだこの国をさらに高め、さらなる繁栄を導くために取り組んでいることを説明し、健康と安全を、天然ガスを普及させ、経済を発展させることにより(実現し)、犠牲者たちの偉業にならっていることをのべた。
首相はカルスで2002年以来、健康・教育・通信交通・住宅の分野で行われている投資や、継続中のプロジェクトに触れ、「我々はあなた方のところへ、主君となるために来たのではありません、奉仕者となるために来たのです。」と述べた。そしてカルスでは2006年より天然ガスが供給されていることに言及し、次のように続けた。
「アイシェさん、ファトマさん、天然ガスを使っていますか?ボイラーを点けた時、家は暖まりますか、お湯がすぐに使えますか?公正発展党が来るまで、世界に天然ガスは無かったでしょうか?カルスの私の姉妹たちは肥料を燃やしていました。5階建てのアパートの下から石炭を運んでいました。文明とはこれです。現代になるとはこれです。人間らしく生きるとはこのことです。おわかりのように、公正発展党政権がこれをあなた方にもたらしたのです。」
■ホテルの名前を変更
エルドアン首相は昨日カルスでグランドキャッスルホテルの開館式典を行った。会見中ホテルの名前が英語であることを批判し、「ここに書かれているものを見ないでください。これは一時的なものです。この名前は「ビュユクカレ」になります。我々自身の言語があるのにどうしてこれを使うでしょうか?」と述べた。エルドアン首相は「我々のカルスのためビュユクカレホテルの成功を祈ります」という表現を使った。
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( 翻訳者:吉岡春菜 )
( 記事ID:21204 )