オルハン・ケマル『監獄第72室』の映画撮影、拷問シーン撮影で俳優陣寝込む
2011年01月19日付 Milliyet 紙


トルコ文学界の文豪オルハン・ケマルの傑作の一つである「監獄第72室」が、二度目の映画化となった。アイフェル・トゥンチュが映画用に脚本し、撮影が最近終了した。ケレム・アルシュク氏プロデュースのもと、ヤヴズ・ビンギョル氏が社長を務めるサースィン・フィルム社が製作し、ムラト・サラチュオウルが監督を務めた映画には今後長く話題になるであろうシーンがたくさんある。

■ 「汚い」受刑者は洗浄された

出演者達の最も過酷なシーンの一つは、受刑者が氷の上で拷問されるシーンである。映画では、新しい署長が就任してきて、監獄第72室の囚人たちに最初の拷問が行われる。囚人たちは、真っ裸にさせられ、雪上で氷のように冷たい水をかけられる。空腹と惨めさの中でただ刑期が終了するのを待つ受刑者は、その新署長が「汚い」というと、非人道的な方法でホースで「洗浄」される。

■ 男性俳優陣は休み、女優陣は演技

ヤヴズ・ビンギョルとケレム・アルシュク氏も出演し、観客達の身の毛をよだたせるこのシーンのために、出演者達は病気となってしまった。役の上で必要だとはいえ、拷問をうけた出演者達は、撮影後はしばらく床に臥すこととなった。男性俳優達が家で休養している間に、女性監獄での出来事のシーンの撮影が終わった。

■ 3月4日公開

ヤヴズ・ビンギョル、ヒュルヤ・アヴシャル、ケレム・アルシュク、ソンギュル・オデン、アフメト・メキン、ジヴァン・ジャノヴァ、デヴリム・サルトオウル、ヌルセル・キョセ、アイチャ・ダムガジュ、ヴォルガ・ソルグ、ゼイネル・カラジャと大勢の有名俳優が演じた「監獄第72室」は3月4日に公開される。

■苦しむ姿や残虐な行為も

映画「監獄第72室」で、ヒュルヤ・アヴシャルも4年ぶりにスクリーンに戻ってきた。彼女はこの映画で、若い時に自分を襲った男を殺したため、15年の実刑を受けたファトマという登場人物を演じる。ファトマは入所している刑務所で自分を守るためトラブルを起こし、そのため何度も刑務所を変わり、最後に、映画の舞台となったブルサ刑務所に移送される。しかしそこでは戦慄をおぼえさせるような事件が彼女を待っていた。

■ 原作者も刑務所にいた

オルハン・ケマルは、1938年に「マクシム・ゴーリキーとナーズム・ヒクメットの本を読んだ」、「外国政府に味方するプロパガンダや暴動を扇動した」という罪で5年の実刑を宣告された。彼が書いた「監獄第72室」は1940年代の受刑者の惨状や苦しみに満ちた生活を表現している。物語の主人公は、純粋で勇敢なリゼ出身のアフメト・カプタンである。カプタンは母が故郷から送る仕送りで刑務所の中の気の毒な人々を助けていたが、刑務所の別棟に収容されていた受刑者らとギャンブルをしていたら、あるとき急についた。しかし自分のお金、寝台、服を刑務所の悪人「牢名主」ともいえるボビーによって奪われ、彼の世界が崩壊していく。

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( 翻訳者:小幡あい )
( 記事ID:21212 )