「もう何世紀か地中にあってもどうってことない」―アリアノイ遺跡ダム湖水没問題で環境大臣発言
2011年01月20日付 Hurriyet 紙


イズミルのベルガマ市にある世界で唯一無傷の古代温泉であるアリアノイ遺跡は砂で埋められ、この古代都市はヨルタンダム湖の下で保存される。この決定に反発をしている環境保護者らは先だって文化大臣へこの問題を協議したが、その際、ギュナイ大臣は「水をためない、アリアノイ遺跡を水没させない、ここが湖の外に留まる、ダムをつくらない、といったことは全く考えられない」と述べ、この問題を打ち切った。本日のエルオール環境大臣の発言は、更に論争を活発化させそうだ。

ヴェイセル・エルオール環境森林大臣は、古代都市を砂で覆うという措置に関して「見つけたのは我々、保護したのも我々、費用負担したのも我々、批判の的になったのも我々。(このような批判にさらされるとは)全く理解できない」と述べた。


■「あと何世紀か土の下で保存されても問題無い」

本件に関して新聞記者の質問に答えたエルオール大臣は、アリアノイ古代都市を砂で覆うことに関しての質問で、アリアノイ遺跡かどうかには疑問符があるが、ここにはローマ時代から残された遺跡が存在すると述べた。

エルオール大臣は、パシャ温泉という名前で呼ばれるこの地区には、ヨルタンルダムの計画が自分の就任前からあったと説明した。ダム建設期間に行った発掘で「いくつかの円柱」が発見されたというエルオール大臣は以下のように続けた。

「国家水道総局は、当時の文化省に問い合わせ、何をすべきかを尋ねた。国家水道総局の経費でここで考古学発掘が行われるという条件で、(ダム建設に)必要な許可が出された。ここには妖精の彫像がある、モザイクや円柱がある。遺跡にはこれらがあるだけです。
 私は、国家水道総局局長として長年にわたりダムを待ち望んできました。私は、自らこの場所に出向き、発掘が一刻も早く終わるようにと願っていました。何故ならこの地域の市民がダム建設の遅れで年間5000万トルコリラの損失を被っているからです。
 この件がこういう形で進んでいる最中に、突然、(この遺跡が)アリアノイ遺跡だという話が持ち上がりました。よくわかりません、私は歴史家ですが考古学者ではないからです。発掘をして、古代遺跡が出て、保護したのは我々、これらは元々土に埋まっていたのです。これを保護したのであって、何かを破壊してはいません。
 必要があればダムが役割を終えた後にまたもう一度掘り出す事が可能です。ローマ時代からずっと、長年地中に埋もれてきたのです。あと何世紀もさらに地中に埋もれていても問題は無いでしょう。」

エルオール環境森林大臣は、文化観光省の保護規則の要件に基づき、なすべき全ては地域の為に行われている事を強調し、「見つけたのは我々、保護したのも我々、費用負担したのも我々、批判の的になったのも我々。(このような批判にさらされるとは)全く理解できない」と述べた。

歴史遺産には最高の敬意を表し、また保護の為に出来る全ての事はやったとしたエルオール大臣は、話題が別の方向に行かないようにと述べ、この地域では、歴史遺産の保護と(水不足に悩む)市民の困難の除去が同時になされているのだと語った。

■「褒められるのは、我々」

エルオール大臣は、「アリアノイに関する裁判が結審する前に作業が必要以上に急いで行われているという話もでています。これになんとコメントされますか?」との質問に対し、

「何を言っているんだ、君。そんなことがあるはずがない。誰かにいって、もっとゆっくり仕事をしようとでもいえと?こんな馬鹿げた事があるだろうか?なんにせよ、我々の目の前には、なすべき仕事があるのだ。ダムを一刻も早く完成し、一刻も早く水をため市民に供給する為の努力をしている。必要な保護は実施した。何をすべきだったというのか?誰にきくべきだったというのか?ここでほめられるのは、我々の側だ。通常の期間で、技術に即して行った。必要な材料が使われた。保護する為に多くの費用が伴う事もあえて避けなかった。これより良い方向はあっただろうか?勘弁してもらいたい。どの遺跡を保護しているというのか?我々は保護している、保護したのも我々。環境森林省は、歴史遺産や自然を保護する省だ。本件で何が望まれようと自然保護についての責任者は我々だ。しかし、文化、歴史的遺跡、考古学的発掘に関しては文化観光省の担当だ。保護のルールについて彼らが必要だということがあれば、それに従うし、従った。これ以上のやり方はあるだろうか、彼ら(文化観光省)以上によくわかっているものがあるとでもいうのか!」

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( 翻訳者:有田 潤 )
( 記事ID:21226 )