ユネスコ世界遺産候補リスト入りディヤルバクル城壁の憂慮される現状
2011年01月21日付 Zaman 紙


ユネスコにより、世界遺産の候補に挙げられているディヤルバクル城壁で、家畜が飼育されている。

ディヤルバクルへ移住し、家畜を飼育して生活を営んでいる何組もの家族が、中国にある万里の長城以外では最も長い、歴史的建造物であるディヤルバクルの城壁を鶏・羊小屋や家畜小屋として使用している。ディヤルバクルの広域市事務局長アブドゥッラー・セヴィンチは、ディヤルバクルへ移住してきた人々の多くが、この歴史的建造物を家畜飼育に使用している現状が、大いなる懸案事項であると述べた。城壁を占有している住民達の家畜を保護した上で、城壁の保護と補修を行うと発表したセヴィンチ事務局長は、住民に対して占拠場所を明け渡すよう広域市から正式に要請したと述べた。

同事務局長は、城壁の現状を改善する目的の下、新たなプロジェクトの着手に言及し、今回のプロジェクトの一環で、約15万平方キロメートルに渡る土地の公有化に向けて、現在調整を行っていることも明らかにした。

また、この歴史的建造物を完全に綺麗にするためには、少なくとも2200世帯の住宅の取り壊しが必要であるとし、これらの住宅の大半がゲジェコンドゥである点も指摘した。セヴィンチ事務局長は、住宅の取り壊しによって城壁が今以上に見栄えが良くなるとし、そのためには県、県特別行政体、国の関係各省との連携が必要になるとの見解を示した。

この城壁がユネスコによって、世界遺産の候補リストにあげられていることにも言及した事務局長は、「ディヤルバクル城壁が、世界遺産候補にあげられていることは、街の将来性にも関わる重要な案件です。城壁の一部であるイチカレ(城塞)地区には、考古学博物館を建設する予定です。この博物館は、フランスのルーブル美術館に匹敵する、毎年何万人もの来館者数を抱えるような博物館になる可能性があります。これは、広域市の財政が潤うことにも繋がるでしょう」と語った。

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( 翻訳者:沓澤実紗子 )
( 記事ID:21231 )