「不運な偶然」―BDP女性国会議員負傷事件で内務省報告書
2011年01月25日付 Milliyet 紙


平和民主党(BDP)所属のセヴァーヒル・バユンドゥル議員が大腿骨を骨折した事件に関する内務省の報告書によれば、「標的は同議員ではなく、事件は不運な偶然だった。」

(デモ隊への)警察の介入でBDPのシュルナク選出国会議員のセヴァーヒル・バユンドゥル議員が大腿骨を骨折した事件に関する内務省の調査官による調査が終了した。報告書では、デモの最中に「太陽を正面に見たため視界が悪い状況で放水車が放水し、偶然バユンドゥル議員に水がかかった」との説明がされ、「不運な偶然の結果、シュルナク選出国会議員のセヴァーヒル・バユンドゥル議員が大腿骨を骨折した以外、重傷者はいなかったことから、事態が最小限の被害で収拾するように実施・実行されたと判断される。したがって刑事的、行政的な措置を講じる必要はないとの結論に至った」と記載された。BDPのセヴァーヒル・バユンドゥル議員は同報告書にこう反発した。「これは悪ふざけだ。迫害を正当化している。」

昨年(2010年)6月、BDP関係者たちはシュルナク県スィロピ郡で、逮捕やクルド人学生たちに対する圧力に抗議をするために約1万人でハブル国境門へのデモ行進を計画した。警察は放水車を使用して介入し、辺りは戦闘状態に陥ったが、この際、BDPのシュルナク選出国会議員のセヴァーヒル・バユンドゥル議員が大腿骨を骨折した。この事件に関して内務省調査官によって行われていた調査が終了した。

■バユンドゥル議員が標的ではなかった

内務省主席調査官であるナムク・ケマル・イルハン氏とアティッラ・シャーヒン氏によって作成されたN.K.İ. 127/42, A.Ş. 152/83号報告書によると、組織(平和民主党)に近いテレビ局やインターネットサイトで伝えられたニュースによってデモ行進の件が発覚し、行進が中止を求め党関係者らと会談が持たれたが結論は出なかった、という。同報告書では、デモ隊がトルコ語とクルド語の両方で警告を受けていたとし、バユンドゥル議員が負傷した際の状況について次のように説明された。

「この警告がデモ隊によって無視されたために、8-10秒以内の長さで、彼らの上に圧縮放水がなされ、催涙弾が放たれた。催涙ガスは天候の影響でデモ隊の上によどみ、効果の非常に強いものとなった。圧縮放水は再度行われた。国会議員たちを標的にして放水したとの主張を裏付けるいかなる証拠も見つからなかった。事件の際、装甲車(TOMA)に対して太陽が正面からあたっており、またTOMAのフロントガラスのパネルは閉じていたため、装甲車は標的の人物を明確に選ぶことはできなかったと判断される。放水はデモ隊全体に対し行われたが、シュルナク選出国会議員のセヴァーヒル・バユンドゥル議員が偶然、放水の的となった。同じ圧縮放水が当たった他の人たちにはいかなる怪我もなかったが、先述の国会議員が転倒の結果大腿骨を骨折したことは、同氏の体力がなかったために奇妙な形で転倒したことが原因であると考えられる。」

■(処分の)手続きの必要はない

同報告書では、治安部隊に関しては「(処分の)手続きを行う必要はない」とされた。また、「集団を適切な場所とタイミングで解散させた。不運の偶然の結果バユンドゥル議員(が負傷した)以外に重傷者がいなかったことからみて、事態が最小限の被害で収拾するように実施・実行されたと判断される。刑事的または行政的な措置を講じる必要はないとの結論に至った」と記載された。

■バユンドゥル議員の反発:「ふざけている」

同報告書はBDPの反発の原因となっているが、バユンドゥル議員は、「これは悪ふざけです。あいた口がふさがりません。この報告書からお芝居か、コメディ映画がつくれるでしょう。この問題について仲間たちは議会で取り上げるでしょう。すべてが明らかで、映像やテープの記録が存在し、医師の診断書もあるというのに、検事はいまだに取り調べを行いません。これもまた問題の別の側面です。まるで、全ての迫害をするものたちは、ひと固まりになっているかのようです。誰かが迫害を行えば、互いに潔白を証明しあうのです」と語った。

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( 翻訳者:三上真人 )
( 記事ID:21264 )