■イエメン政府、「改革」デモでの逮捕者らを釈放
■野党勢力、政府が国を「危機に陥れた」と非難
2011年1月25日付アル=ナハール紙(レバノン)HPアラブと世界面
【サヌア:アブー・バクル・アブドゥッラー】
学生や人権活動家らが、民主化とアリー・アブドゥッラー・サーレフ大統領の退陣を求めて組織した一連のデモが終わった昨日[24日]、サヌア大学は一転して静寂に包まれた。イエメン政府は、活動家でジャーナリストのトゥワックル・ケルマーン女史、ならびにこのデモ集会中に拘束した学生や活動家ら約20名を釈放すると発表した。その一方で諸野党は、当局が大学のキャンパスを兵営に変えたと非難しつつ、党員や支持者らに対して引き続き平和的な闘争を行うよう呼びかけた。なおイエメン政府は、ケルマーン女史を釈放したのは彼女の家族から同女史が混乱を引き起こすようないかなる活動も行わないとする保証を得たからだと述べた一方で、当の同女史はサーレフ政権の崩壊まで闘争を継続すると誓った。
学生、活動家およびジャーナリスト数十名は抗議デモを組織し、収監者の釈放や大学キャンパス内に陣取る政府軍の撤退を要求するプラカードを掲げながら、検察庁を目指して首都を練り歩いた。また他にも、治安部隊が野党指導者のナーイフ・アル=カーニスを拘束したことに抗議するデモを組織する者達がいた。
野党連合「共同会合」(左派政党ならびにイスラーム主義政党6党で構成)は、政府に対し「火遊びが引き起こす結末」を警告し、「政府が国をさらなる危機へと陥れ、元々の危機にさらなる危機を覆いかぶせている」と非難した。さらに「国民が公正で正当な要求を表明したことに対し、政府は暴力と弾圧で応じた」と批判し、学生や活動家の一斉検挙を糾弾した。
さらに野党連合は、政府軍に対し「憲法に抵触するような犯罪に時効はないし、一握りの腐敗した者が重大な局面において国民を生け贄に差し出すだけなのだから、政府が国民の権利や自由をさらに侵害し、抑圧するようなことはあってはならない」と警告した。
デモは南部ダーリア県でも引き続き行われた。南部の独立を求める「南部運動」の支持者ら数千名が街を練り歩き、ラヒジュ県での政府軍による軍事作戦に抗議するとともに、逮捕者の釈放を要求した。デモの参加者は旧南イエメン人民共和国の国旗や緑色の横断幕を掲げ、警察の制止にも構わずに「南部の分離独立を」と要求するスローガンを繰り返し叫んだ。
(後略)
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( 翻訳者:加瀬冴子 )
( 記事ID:21291 )