ムバーラク、政権の顔のすげ替えも不発、デモ隊からは「外国の手先はもう結構!」の声
2011年01月30日付 Al-Nahar 紙

■アメリカは緊急協議、イスラエルは懸念、ヨーロッパは全面的な変革へと圧力
■ムバーラク大統領、経済テクノクラート閣僚を軍人に置き換え スレイマーン氏の任命で仕切り直しを図る
■民衆蜂起は継続、町には無秩序、国家が機能不全に

2011年01月30日付『アル=ナハール』紙(レバノン)HP1面

【カイロ:ジャマール・ファハミー、各国首都:諸通信社】

昨日エジプトでは、エジプト政治史上前例のない大衆蜂起に関連して現場の動きが相次いだが、その大半はフスニー・ムバーラク大統領が自らの体制を守り、民衆のスローガンや目標から目をそらすために行った無謀で無益な試みに留まった。エジプト全土にわたってここ5日間で叫ばれているのは、ムバーラク大統領の退陣と、現行の統治制度の根本的、即刻、完全な変革の開始、そして自由と社会的公正に基づいた新しい政権樹立の要求に尽きる。

こうした事態の加速を受けて世界の首脳たちは、今回の危機とそれが中東のパワーバランスに及ぼす影響を見届けるべく相次いで会合を開いている。彼らはムバーラク大統領の退陣を明確に求めるには至っていないが、ムバーラク大統領が自らその一歩を踏み出すことを望んでいるのは明らかだ。注目すべきはホワイトハウスが3時間以上もエジプト情勢についての議論に時間を費やしたことであり、あたかもアメリカ自身の安全保障に関わる問題であるかのようだ。

[メンバー交代]
ムバーラク大統領の対応は、与党国民民主党の組織委員長辞職を受け入れた億万長者のアフマド・イッズ氏など、ムバーラク体制の“顔”の一部をすげ替えるに留まった。また大統領は、政権掌握から30年間空席であった副大統領職に前情報長官のオマル・スレイマーン氏を任命するという異例の措置を取った。さらには元空軍司令官であり、現航空相のアフマド・シャフィーク氏をアフマド・ナジーフ前首相の後任に任命することが今日、発表される。

しかしながら「大統領の秘蔵っ子」と呼ばれる面々の交代は効果が見られず、外出禁止令を無視して街中で座り込みを続けている数十万の怒れる若者たちはこの交代を冷めた目で拒絶した。おそらくその最たる表現は、昨夜カイロのタハリール広場で夜を明かしたおよそ十万人のデモ隊が繰り返していたこの言葉であろう。「ムバーラクにNO、スレイマーンにNO、外国の手先はもう結構」
(後略)

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( 翻訳者:在間咲野 )
( 記事ID:21304 )