イラン心理学協会に名を連ねるナーデル・ガラムバル氏は、「インターネットを通じた交友は、家族による干渉がないために、性的問題に発展する可能性がある。〔現実空間の中で他人と〕健全な関係を結ぶことに困難を覚えている人に、インターネットを通じた出会いを求める傾向が強い」と述べた。

　ガラムバル氏はファールス通信とのインタビューのなかで、「基本的に、家族の間で遠慮があったり、内向きで恥ずかしがり屋だったりするような人々の間で特に、インターネットが友達探しの手段の一つとして利用される傾向にある」と語った。

　彼はこう加えた。「たいていは友人同士になって、普通の関係を結ぶケースが多いが、こうした関係が密になり、特に双方が異性であったりする場合、依存関係が生まれ、容易に関係を断つことができなくなることもある」。

　ガラムバル氏はその上で、次のように説明した。「こうした交友関係は、家族がそのこと〔＝交際相手の素性〕について調べたりするなどして干渉することがないために、当事者に害を与える〔＝事実を隠したり、嘘を言ったりする〕形で、双方が仲よくなる可能性がある。しかしながら、こうした関係は正しい基礎・基盤の上に築かれたものではない〔＝家同士の公認がないままに築かれたものである〕ために、過去の問題が隠されてしまうこともある。例えば、男性、あるいは女性の側に結婚歴があるにもかかわらず、明かされない、といった問題だ」。

　心理学者である同氏はさらに、「このような人々は、インターネットで仲良くなった後、外で会って、互いに依存関係に陥ってしまう。問題はまさにそこから始まるのである。家族の関与がまったくないために、性的問題に発展することもしばしばだ」と明言した。

　同氏はその上で、次のように付け加えた。「もちろん、こうした交友関係が結婚に繋がることもある。しかし結婚においては、年齢や職業上の能力、家族、社会階層、教育レベル、さらには顔や物理的特徴といった重要な問題が重視されることになるが、双方の間に生まれた〔一時の〕恋愛感情のために、これらの問題が度外視されてしまうこともあり得る〔ので、長続きしない可能性が高い〕」。

　ガラムバル氏は、〔出会いを求めるために〕こうしたやり方をとっている人々の多くが、〔現実世界で他人と〕健全な関係を築くことに困難を覚えている人だと指摘し、次のように述べた。「親御さんたちは子供たちに、自分の要望や要求を〔バーチャルなインターネットの世界ではなく、リアルな〕社会のなかで表現することができるということ、社会的にも個人的にも自らの存在感を示すことができるということを、家庭生活の中で教えるべきだ。なぜなら、彼らの中には健全な関係を〔他人と〕結ぶのにすら、困難に直面している者もいるが、この根源的原因は家庭生活にさかのぼるからだ」。

　同氏はその上で、「若い男女の中には、世界を共有するために、インターネットの出会いに走り、依存関係を作ってしまう者もいる。例えば、インターネットで18カ月間交際した上で、互いに会い、家族〔の生活スタイル〕や互いの考え方といった点でまったく共通性がないことが分かったにもかかわらず、互いに依存関係に陥ってしまい、家族も二人の結婚に賛成しない、そういった若い男女のケースもあるのだ」と注意を促した。

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（ 翻訳者:種谷悠樹 ）
（ 記事ID:21380 )